母さんは基本的に明るい人で
近所のママ友達と
ワイワイして集まるのが好きだった。
ある日母さんは
わたし達子供を連れて
いつもの様にママ友宅で集まると
いつの間にか深夜になる。
慌てて自宅へ戻ると
鍵が閉められていた。
母さんと兄妹と工場の2階で
寄り添いながら朝を迎えたのを
覚えている。
今思えば
母さんが楽しい場を求めたのは
父の病からの
現実逃避だったのかもしれない。
あの頃から両親の関係は
崩れていたんだろう。
わたしは何も気づかない
気づかない様にする大人の配慮。
何にもわからないまま
わたしが小学校を卒業する時
両親は離婚した。
わたし達子供は
特に反抗するでもなく
親の言うままに従うのみ。
兄は兄の希望で
父の戸籍に残った。
新しい土地で
母さんと妹との生活が始まる。
いつの間にやら
新しい父も加わって。
その時わたしは
まだ何も知らなかった。