昨日の夜、久々に夕方の6時過ぎ時にテントの中に入り、ブログを書いた後は何もすることがなく、退屈で仕方なかった。
何せ、前日まで毎晩電気を付けて音楽を聴いたりネットをやったりすることができる環境にいたのだ。
やっぱり、寂しいという気持ちが一番大きかったように思う。
「テントの中に、誰か話し相手がいたらなぁ、、、」なんて思いながら、実際に声に出して一人会話を始めてみた。
「なんていうかさぁ、、、」
「、、、ん?」
「いやぁ、やっぱし寂しいんだと思うんだよね、僕。」
「、、、まぁね。分かるよ。」
「誰かが隣にいて、話し相手にでもなったくれたらなぁって。」
「やっぱし、今の時代の人はインターネットで友達とつながっている気になって、寂しさを紛らわせているんじゃないかな。」
「そうかもねぇ。だって今ここにスマホがあって誰かと電話したりフェイスブック見たりできるんなら、寂しいとは思わないだろうからねぇ、、、。」
そんな会話をテントの中で独りぶつぶつとしゃべりながら、気が付いたら寝てしまっていた。
その後、大きな明るい月が昇ってきて、目を覚ました。
そのあとは、オウムに話しかけた。
このオウムは、「オウムさん」とか「ローラ」だとか仮の名前を付けていたのだが、最終的にはフェイスブックのコメント欄で名前の案が挙がった、「キジさん」という名前に決定した。
「キジさん、キジさん。お前はかわいいなぁ。いい子だなぁ、、、。」
僕の胸の上で眠るキジさんを眺めながら、僕は高校生の頃、ものすごくカラスが飼いたかったということを思い出した。
そして、将来日本で小さな動物園を経営している自分を想像したら、興奮してしばらく眠れなかった。
さて、今日は朝5時に起き、夕方の5時過ぎまで川下り。
プカルパの街で買った投網を3-4回投げると、なんと25センチくらいの魚が
20匹くらい捕まった!
そして今日は、ひたすらこれらの魚をおろしていた。
鱗を取り、三枚におろして、干す、の繰り返し。
何度もやっているうちに、慣れてくるのがいい。
状っつしているのが自分で分かると、面白い。
魚の身体をじっくり観察していると、口の作りとか、歯の形の違いとか、頭蓋骨の形とか、そして内臓の作りとか、「なるほど、上手く出来ている!」と、神様のデザインセンスのすばらしさ(機能性)に感心したり、模様が付いているのは鱗で、鱗を取ると模様も消えることを発見したりした。
とにかく、時間を忘れられることに専念した。
「長いなー、退屈だなー」と思いはじめたら、一向にゴールにはたどりつけないことを僕は知っているのだ。
5時頃、砂浜を見つけカヌーをそこに停めた。
漁師の方たちが、浜の向こうの方から様子を見にやってきた。
笑顔で握手をし、挨拶をする。旦那さん、子供たち、それから奥さんもやってきた。女の人が笑顔で挨拶してくれるってことは、「ここでは何も危険なことは起きませんよ」の記し。
これまでいろんな原住民族と接してきたが、この辺りに住むシピーボ族の人たちは文明の中に住んでいるし、かなり穏やかな性格なので、安心して旅ができる。ありがたや、ありがたや。
そして、今回の旅で、初めて自分で獲った魚を自分で調理して食す。
調理と言っても、魚と塩と水を鍋に入れて火をかけるだけ。
それでも、自分で食を確保できるのは、一歩また「自由」に近づいた証拠かな!?
そしてまた、夜がきた。
風がないと、テントの中はめちゃくちゃ暑い。
なにせ、テントを張っている地面の砂が、日中カンカンに温められているため、地面から熱が湧いてくる。
そんな中、今夜はテントの中で一人しりとり大会が開かれていた。
お題は、動物!
「動物なら俺が得意な分野だ!」と息巻いてみたが、なにせ「一人しりとり」なので、相手も同じくらい動物の名前を知っているので、接戦となった。
最初はなかなか調子が良かったのだが、30くらい動物の名前が挙がってくると、さすがにお互い眉間にしわを寄せての接戦となった。
キツツキなど、「なになに返し」が、一番きつい。
何せ「一人しりとり」なもんで、「どうだ!キ返しじゃ!」と言った瞬間、またすぐに自分の番がきて、「キから始まる動物を探すのに苦しんだ。」
最後のほうになると、特別ルール導入で、「真剣白刃ドリ」とかもアリってことにしてなんとか戦いを進めたのだが、最後は精神戦に突入、あまりの暑さも相まって、結局僕が「リカオン!」と叫んで自らこの戦いを締めくくった。
一体、一人しりとりをして、「よっしゃー、勝った!」という気分になれるのか、、、。気が向いたらまたやってみよう。
、、、という風にまぁ、
街にいるときと、考え方も行動も、価値観も善悪すらも、ひっくり返ったくらい違う。
町にいたときは、なにか哲学的なことや心理学、宗教、歴史、言語など様々な分野に興味を持てていたのだが、今の僕の頭は「どれだけ時間を無駄にできるか」こそが、正しい道なのだと、そういう価値観になっている。
全然、深いことは考えていない。
、、、面白いくらいに。
町にいると、それだけ余裕があるっていうことなんだろう。
ただ、あたまで考えて分かることなんて、タカが知れているのだ。
経験から湧き出た感情こそが、本当の「知」なのだと思う。
そしてこの本当の「知」が、「血」となり肉となれ。
あー、あついあつい。
やっと汗が出てきた。
もう22時になった。
旅は楽しい。いろんなことを考える必要は無い。
生きていれば、それでいい。
それだけで、人生は楽しいんだ。
20151029