たしかにおもしろいのです。
大前春子と東海林主任との掛け合いが特に。
でも何か違和感が。
ケタケタ笑いながら見ている娘を見ていて気づきました。
13年前、私はこのドラマを笑って見てはいなかった
と。
ちょっとネガティブな話になりますが、かーちゃんが就職した年は、氷河期のピーク。
就職率のグラフがことさら大きくポコンと落ちた年です。
同世代の方々にはわかることと思います。
頑張って正社員で就職したものの、企業に人材育成の余力は皆無、新卒でも「即戦力」を求められ、人事考課制度なんかも導入され始め、
圧倒的に雇用主強し、労働者弱し
の時代。
「ブラックだ」
「セクハラだ」
「パワハラだ」
ということなんか山ほどあっても、
一言でも異議を唱えれば
「じゃあ辞めたら?君のかわりに働きたい人は山ほどいる。」
と言われそうな風潮が蔓延していて、歯を食いしばって我慢するしかなかった時代。
結婚して家庭を持っても、両立に対して配慮も何もなかった時代です。
「イクメン」なんて言葉すら、まだなかったかも。
かーちゃんのように、神経系統を患って、退職せざるをえなかった
団塊ジュニア世代、バーンアウト組
の女性が、きっと全国でたくさん発生したのではないかと思います。
だから、「ハケンの品格」は、そんな氷河期世代にとっては憧れのセリフがバンバン飛び出るドラマでした。
ドラマの中で出てくる、
「定時で帰ります」
「時間外を払って頂きます」
「休日出勤の手当てを払ってください」
「それは業務命令ですか?」
こんな当たり前のことが、絶対に言えなかったのです。
もちろん、
「定時で帰るために」
「時間外は経費、無駄な経費を出さないために」
「休日出勤も経費、休日来なくて済むように」
「言われる前に行動する」
と工夫して努力して働くのですが、いかんせん、企業も人手を最大限減らしているので、1人あたりの業務分掌が膨大すぎて、思うようにいきません。
そこへきて、古しき悪しき因習にとらわれた上司は根性論を振りかざしてくるので、世の中ブラックだらけでした。
本来、雇用主と労働者は、労働を売り買いし、その対価として賃金が発生しているので、対等なはずなのです。
だからこそ、対等でいるために、「私を雇って損はさせません」という意識を持って仕事をするのです。
評価として賃金がもらえるよう仕事に真面目に取り組んでいた
権利主義主張だけを振りかざしていたわけではない
それなのに、まっとうな扱いを受けられなかった氷河期世代からしたら、
ハケンの品格の大前春子のように、膨大なスキルと結果を武器に、バッサリと雇用主側の矛盾点を指摘し、本来払われるべき報酬はしっかり頂く、という姿は、本当に憧れの姿であり、自分ももっと仕事ができるようになろう、と思う原動力にもなりました。
そして結局、かーちゃんはうつ病になり、バーンアウトしてしまったわけですが・・・

今、「ハケンの品格」を「おもしろ~い
」と言っている娘を見ていると、このドラマの本筋が、時代が変わって伝わらなくなっているのだなぁ、と思いました。
彼女にとっては、コメディータッチな部分が面白いだけなのでしょう。
あなたのかーちゃん世代が、どんな思いでこのドラマを見ていたか、今の若い世代にはわからないのかもね、と思う中年かーちゃんです。
長くなり失礼しましたm(__)m