母の手



老いて足を悪くした
母の手をひいて
歩く帰り道


今、私は知った
母の右手の中指が動かないことを


わがままな私らを
必死に働いて
育ててくれた母の手

少し曲がったその指先を
私に見せて


母は言う

「よう働いた手じゃろう?」
と笑いながら…


私は
詫びながらも

詫びながらも

「立派な手です」と微笑み返す





この道は幼い頃
手をつないで歩いた帰り道

母と歌った
夕やけこやけ


今日は私が手をひいて
二人で歌う帰り道