記憶力についての理屈っぽい話 その2
人は忘れる動物である。
   だから繰り返し復習を。


再度、エビングハウスです。この理論は避けては通れません。
<エビングハウスの忘却曲線>
エビングハウスの忘却曲線とは、ある学習の記憶は、
1時間後には約40%を忘れ、
9時間後にはには約70%を忘れ、
その後はゆるやかに減少して、
3日後には約75%を忘れ、
30日後までには約80%を忘れていることを、
ドイツの心理学者エビングハウスが20世紀初めに実験結果で立証したものです。

この理論は、復習のタイミングを教えてくれます。
つまり、1度目の復習は、初めに学習してから9時間以内に行い、その後の約1週間は毎日何らかの形で繰り返し復習を行なうことで、記憶を短期記憶から長期記憶へと移さなければなりません。
一度、長期記憶に移せれば、その後は1ヶ月おきとかに復習すれば、記憶はすぐ思い出せます。

<記憶の種類(その1)>
記憶には、短期記憶と長期記憶があります。
短期記憶とは、数秒から数分間しか憶えていられない記憶です。
定期試験前の一夜漬けがこれに該当します。しかし、短期記憶できる量は限られていて、多くのものを短期記憶とすることはできません。
「一夜漬けで憶えたはずなのに、思い出せない!」というのはこれが原因です。
一方、長期記憶とは、短期記憶を通して長期的に記憶されることです。
資格試験で勝ち抜くには、記憶を長期記憶の状態にする必要があります。
このことは、特に試験に論述試験(論文試験)がある場合に言えます。
では、いかにして長期記憶を作るのでしょうか?
そのためには、まず記憶のメカニズムを理解しなくてはなりません。
まず、人は、見たこと、聞いたことは一瞬で忘れてしまいます。
しかし、これらのうち必要だと思うこと、興味があること、理解したことなどは、短期記憶として憶えています。
この短期記憶は脳内の「海馬(かいば)」にて、最大1ヶ月程度保持されます。
この間に、不要なもの(=忘れ去られるもの)と長期記憶となるものが選別されます。
では、どうすれば長期記憶になるのでしょうか?
それは短期記憶にいる間に複数回反復することです。複数回記憶にアクセスされれば、その記憶は重要なものとされ、側頭葉に送られて長期記憶となるのです。
また、より効率良く長期記憶にするためには、短期記憶の時点でわかりやすく、効果的に理解を促すようにしておかなければなりません。
具体的には、図などを使い、体系的に理解することです。


<記憶の種類(その2)>
記憶には、再生記憶と再認識記憶と忘却記憶の3種類があります。
再生記憶とは、自分から思い出せる記憶を言います。
再認識記憶とは、見たり聞いたりすれば思い出す記憶を言います。
忘却記憶とは、見ても聞いても思い出せないけれど、もう1回覚えると初めてのときより早く覚えられるという記憶を言います。
問題を解くためには、必要な道具を再生記憶の状態にキープしておく必要があります。
そのためには、繰り返し復習することで、記憶の刺激を加えると同時に、アウトプットしやすい形で記憶を整理しておくことです。


早い話が、今日帰ったら勉強しなさい。
 そして明日と明後日も勉強しなさいです。