7月につくった前装冠の1つ
作り始めから 完成まで一気に紹介したいと思います
1 歯冠形態回復
はじめにワックスで歯の形をつくる
舌側面を回復する 切縁の長さ ラインアングル 上部 下部こけい空壁などを観察し回復する
2 コア採得
見本にするものを印象でつくる
窓あけ前に前装スペースを確認するために用いる
唇側コア 舌側コアに分ける前に 唇側寄りのところでカットする
3 窓あけ
メタルバッキング法を紹介します
舌側面をメタルで覆う方法
ワックスアップで作ったものでレジンにしたい部分を削る
隣接面がメタルのもの → メタルコンタクト
隣接面がレジンのもの → レジンコンタクト (臨床)
窓あけ量は メタル最低厚みが0.3ミリ以上 + レジン部スペース = クリアランス量で 1.0ミリ以上
4 マージン再圧接 ハンドル リムーバルノブ スプルーの植立
ハンドルとは 築盛時などに使用するフレームの持つ所
ハンドルの研磨の時に短くし リムーバルノブにするため
ハンドルは こけい空隙に植立する
5 リテンションビーズ
機械的維持の付与 (レジンと金属は化学的に結合しないため)
接着剤は 薄く塗布 厚くなるとビーズのアンダーカット部がなくなり維持が弱まる
ビーズが重ならないように注意する
6 埋没 鋳造
7 メタル調整
適合確認 コンタクト 咬合接触部を調整し (シリコン研磨 で行う
フィニッシングラインの調整は 付近のリテンションビーズを削除しながら行う
マージン部を可及的に薄く調整する
8 前装面の処理
1)サンドブラスト処理
アルミナを使い細かい凹凸を形成し 機械的維持を向上させる
2)金属接着剤プライマー処理
メタルとレジンの結合を強固にするため 前装面には 金属接着剤プライマーを塗布し 自然乾燥させる
9 レジン築盛
1 オペークレジン
① オペークプライマーの塗布
オペークレジンを確実に硬化させるため 前装部に塗布し乾燥させる
②オペークレジンの塗布 重合
薄い層で 最低3回に分けて金属色を遮断する
③ インサイザルオペークの塗布 重合
メタルバッキングの場合
2 ボディレジン
① サービカルの築盛 予備重合
歯けいぶの色調を表現するペースト
マージンから約1/4に築盛し 切縁に向けて薄くなるように築盛する
② デンチンの築盛 予備重合
歯けい側2/3目標歯の外形と一致させ 切縁側1/3から切縁に向けて移行的に薄くなるように築盛する
切縁下部にはマメロン形態を付与する
予備重合後は 唇側コアを用い豊隆や 次に築盛するエナメルのスペースを確認し 過不足があれば修復する
③エナメルの築盛 最終重合
初めに気泡が入りやすいマメロン部の谷間のみにエナメルを築盛 予備重合する
エナメルで歯冠形態を回復し 最終重合する
形態修正 研磨文を少し大き目に築盛する
10 形態修正
①フィニッシングラインを移行的に調整
②唇側面のおおまかな豊隆の調整
③切縁位まで前方 前側方運動させ 切縁の位置を調整
④歯冠幅径 (ラインアングル)の調整
近心から調整をおこなう
11 表面性状の付与
縦の溝は 目標歯に 横の溝は 目標歯が縦になるよう模型を動かすと溝の位置が観察しやすくなる
初めに縦方向の表面性状を付与し 横方向の表面性状を付与する
溝だけを付与するのでなく 溝の両隣にある隆線の形態も意識しながら付与する
マージン付近にある表面性状は付与しない
12 研磨 完成
ハンドルを短くカットし リムーバルノブに変更する
表面性状を崩さないようペーパーコーンや シリコンなど表面を中研磨する
最終研磨は ロビンソンブラシ バフを用いる
完成