イエティ
ヒマラヤ山脈に出没する雪男。
タイムリーなところでは「波打ち際のむろみさん」に出てくる男の娘
今でもたまに調査隊が派遣されたり、ヒマラヤに登る登山家はイエティを探していたりする
またまたタイムリーな話をすると、世界の果てまでイッテQでイモトをサポートしている登山家さんたちは全員このイエティは存在していると信じている
さて、イエティ=雪男
もはや我々の頭に刷り込まれた事実だが、実はイエティは最初から人型だったわけではない
イエティが初めて目撃されたのは1832年。(新しいのか古いのかとても微妙な年代)
この時は毛むくじゃらの二足歩行の何か、としかされていなかった。
これを目撃したのは現地人ポーターと、イギリス人旅行者。
帰国したイギリス人が学会誌に投稿したことでイエティは世の中に知られることになった
そして最初にイメージの肉付けをした事例がある
1921年イギリス陸軍中佐率いる調査隊がエベレストの標高6500m地点で奇妙な足跡を発見する。
現地人シェルパ(ヒマラヤの少数民族のこと)はその足跡を「嫌な臭い、雪、男(metch-kang-mi)」と呼んだ
これが報告の際誤って「忌まわしい、雪、男(metoh-kang-mi)」となり、英訳されて「忌まわしい雪男(Abominable Snowman)」と誤訳されてしまい、今我々が思い描く
雪男=でっかい毛むくじゃらの大男
となったのである
次は1954年。
日本でキングコングに触発された円谷英二監督の不朽の名作『ゴジラ』が放映されている同じ年
イギリスの大手新聞会社デイリー・メールが後援になった大規模な調査隊がヒマラヤに派遣され、雪男の頭皮と糞を持ち帰る
鑑定された頭皮と糞だが、残念なことに頭皮はヒグマ、糞も既知動物のものであると判明し期待外れに終わってしまう
だがこの時デイリー・メールの人々は余計なことをしてくれてた
現地の人々にイエティ捜索に協力してもらうために大々的に呼びかけを行ったのだが、なんとその時ゴリラに似せて書いた雪男のイメージ絵を配布してしまい現地の人々の頭ひいてそれが現代にまで残ってしまいイエティは概ね「大きくて」「けむぐじゃらな」「人型」に統一されてしまったのである
知識汚染もいいところだ
そして五年後、このイエティフィーバーに便乗して天下の東大も調査隊を派遣している
医学部の小川教授を中心に毎日新聞社がスポンサーになって作られた「日本雪男調査グループ」がヒマラヤに向かうが、この年のヒマラヤは記録的暖冬で雪がほとんどなく、雪男の足跡どころか動物の足跡さえ見つからなかった
だがこの調査隊はある偉業を遺している
それはガンジスカワイルカという淡水に生息するカワイルカの生態調査を行っている
と聞こえはいいが、この調査隊は「なんとなく」ガンジス川に行き当時から絶滅が危惧されていたガンジスカワイルカを無許可で捕獲して調査している
そのせいで評価もされたが世界中から非難轟々
終いには「ガンジスカワイルカ調べに行きたいからお題目として雪男調査を上げたんじゃね?」と噂される始末
日本一の大学ならもう少し要領良く行動してもらいたいものです
一応フォローするならば、これがきっかけでガンジスカワイルカの研究は進んだのでモラルやホウレンソウの手際の悪さはともかく研究者としては優秀です
だがガンジスカワイルカは2006年にクジラ類の中では一番最初に絶滅してしまった。原因としては元から絶滅危惧種だったのが中国の経済成長の中で保護が間に合わなかったのだという
話は逸れたが、大体イエティの大きな調査結果は以上
本当に胡散臭いものばかりなんです
最後にイエティの正体は?
一番有名なのは新生代第三期の大型類人猿ギガントピテクスの生き残り説
なのだが、最近になってイエティとはヒマラヤ周辺の人々が使っているヒグマを指す言葉だということが判明し頭皮の正体がヒグマだったこともありイエティ=ヒグマが定着しつつある
捕捉しておくとヒマラヤグマというクマは存在している
日本人にはツキノワグマといえばわかると思う
日本でもヒマラヤグマは生育されているので未確認生物ではありませんが、ヒマラヤに生息する原種のヒマラヤグマはガンジスカワイルカ同様絶滅危惧種です
かつてパンダやゴリラがUMAだったように希少なヒマラヤグマが我々人間の勝手な妄想の果てに雪男とされてしまったのかもしれない
とはいえ、雪男イエティが存在しないと決まったわけではない
ロシアには公的機関としてイエティ研究チームが存在している
イモトがヒマラヤに登る際にイエティが出てくるかもしれないが、それは藤岡弘隊長の仕事だと私は思っている