中1のころだったか。
英語の先生が長期休暇に中国旅行をしてきたという話をしてくれた。
旅の途中、トイレに立ち寄ろうとしたところ、
教えてもらった場所には2m×2mほどの壁が1枚。
トイレはどこだろう。
壁に近づいてみると地面には”ブツ”が。
あぁ。ここか。
真ん中に柱が通っていてかろうじて”男””女”だったそうな。
小さいころからウォッシュレット完備、
やわらかいトイレットペーパーしか知らない
恵まれた?私にとって、それは衝撃的な話だった。
これは自分の目で見に行くしかない。
現地の人の生活を見るには住むしかない。
そんな思いを小さな胸に抱え続け、
そしてチャンスは1998年にやってきた。
今まで貯めた100万円を握りしめ、
中国の情報は中1のころの先生の話のみ、
中国語もまったくわからないままに
意気揚々と出かけていった私を待ち受けていたのは
何十年前の日本だろうか。白黒の世界みたいな部屋だった。