初めての出会い① レイレイ編
それは、反日デモが吹き荒れ、日本人大使館が投石される事件があったころ、
会社の出張で中国の大連に出張した。
中国にはそれまで一度も行った事がなく、イメージもとても悪かったため、
いやいやながらの出張だった。
その出張先は大連。
今まで欧米諸国しかいった事がなく、簡体字というものを見たのもそのときが初めて
だった。
僕のこのときの仕事は、英語での自社の紹介。与えられた時間は30分。
正直、中国について何も知らなかったため、石でも投げつけられたらどうしようかと
思っていたくらいに無知だった。
プレゼン会場には、中国人の女の子が数名、英語の通訳として働いていた。
その中の一人に、レイレイという女の子がいた。
お互いに仕事で忙しかったが、初対面でお互いに好印象を持っていることが、
何故か何となく伝わってきた。
別れのメール
君とこれ以上連絡を取るのは疲れた。
電話ではメールで別れを告げないと伝えたけれど、
もう愛情も残っていない。
君のことは全て記憶から消し去るし、君も僕があげたものは、
捨てるか売るかして欲しい。
君からもらったものについても、捨てるか、または送り返すから。
昨日の電話で気づいたのは、君は僕からのプレゼントにしか興味がない
ということ。
だからもうお別れだ。
本当に疲れた。
これが、中国人の彼女に送った最後のメールだった。
