カランコロン、カランコロン


雑貨屋さんの扉が開いて


お客が一人入ってきました
彼女でした、、、




あ、、、いらっしゃいませ、、、



また来てくれたんですね、、、、




彼女は雑貨屋さんが


大のお気に入りになっていました






しばらく店内を見回してると、、、



また不思議な物が目にとまりました、、、、





それは「愛の翼」よ、、、




いろんな所へ行けるのよ、、、、




それは昔 貴女がね、、、、




店員さんの言葉が終わらぬ内に、




彼女は「翼」を付けました



彼女はフワリと舞い上がり



空へ羽ばたいて行きました




彼女が空から見下ろす景色



素敵な景色が見えました





彼と出逢った春の頃




野辺で二人で花を摘み




変わらぬ愛を誓ってた、、、





彼と歩む初夏の頃





紫陽花の丘でキスをして





変わらぬ愛を確かめた、、、






樹氷煌めく冬の頃





舞い散る雪を眺めては





愛しさと切なさで涙した、、、、、






フワリフワリと漂う彼女は




懐かしい一軒家を見つけ





窓辺にそっと近づきました




あ、、、、





家の中には、





小さな頃の彼女と




お母さんが楽し気に




おしゃべりしてました





その「翼」どうしたの?




お母さんが優しく尋ねます




うん、あのね、雑貨屋さん

のお姉ちゃんからお小遣い

貯めて買ったのよ



小さな彼女は一生懸命答えました




お母さんは優しく言いました





そう、良かったわね、、、


でもね、今は「翼」を付ける


のは無理だから、



貴女がおっきくなるまで



お姉ちゃんに預けときましょうね、、、





小さな彼女は答えます




うん、わかった、



お姉ちゃんに預けとくね、


私もいつか「翼」付けたら



あのお姉ちゃんみたいに



羽ばたけるよね、、、




そう言って、小さな彼女は



窓辺の彼女を指差しました、、、、






その瞬間、彼女は




雑貨屋さんに戻ってました、、、






貴女がね、私に預けた物

なのよ、、、、




貴女に返す時が来たのよ、、、、



店員さんは囁きました



彼女は再び「翼」をひろげ





蒼い空へ舞い上がって行きました、、、、








さぁ、舞い上がりましょう





愛と優しさの大空へ、、、





空には虹も架かります






虹の彼方に笑顔もあるわ





虹の懸け橋二人で渡り






幸せの笑顔見つけましょう






羽ばたく「翼」は






もうすぐ青年の家の上、、、、、
夢追い人がおりました、、、、、、、





華奢で小さな人ですが





瞳もキラキラ輝いて





とっても大きくみえました




傍らには





見守る人がおりました、、、、、、、





見守る人は言いました





知ってるよ、、、、、





笑顔の奥の悔し涙、、、





流した涙の一雫さえ





決して無駄にならない事も、、、、、






知ってるよ、、、、、





はかなく見える佇まい、、、、、、、





大地にしっかり根を降ろし




これでもかと踏ん張って





歯を食いしばり生きている、、、、、





知ってるよ、、、、、





貴女の小さなか弱い手、、、、、





煌めく夢を掴むため、、、




輝く未来を描くため、、、




いつでも空に伸びている、、、、、、





どうか、その手で掴んでね、、、、、







貴女が選んだ生き方は





必ず誰かに届くはず、、、





いつでも何処でも信じてる、、、、、





いつでも何処でも愛してる、、、、、








見守る人の言葉を聴いて






夢追い人は歩き出します





愛と希望を胸に抱き






道標なき夢の道を、、、、




何処までも 果てしなく、、、、、、
彼女は雑貨屋さんに

来てました



可愛いい小物や雑貨が


所狭しと並んでいます



その中の、何気ない鏡が


彼女の瞳にとまりました






「愛の鏡」 いかがです?




色んな 愛 映りますよ、、、、、、





店員さんの優しい声に




吸い寄せられる様に




彼女は鏡を覗き込みました






涼風そよぐ春の頃





二人の上にひらひらと





優しく舞い散る愛の花





小鳥達も祝福の





ワルツを踊ります





陽光きらめく夏の頃





海辺に輝く愛の砂





さらさら優しく掬い上げ





過去と今を繋げましょ





海を渡るそよ風も





優しく輪舞曲奏でます






月明かり射す冬の頃





夜空に輝く愛の星





二人の上に降り注ぎ





世界を愛で照らします





月も二人を祝福し





星とダンス踊ります






茜雲たなびく秋の頃





優しくそよぐ愛の風





せせらぎの川を渡ります





川面キラキラ輝いて





彼女は思わず覗き込む、、、、、




そこには何故か、





鏡を覗き込む自分の姿が





ありました、、、、、





あ、、、、、






ほら、見えるでしょ、、、





愛する人と二人で見れば






きっと未来も見えますよ、、、、、、






店員さんの優しい声で






彼女は我に帰りました







下さいな、、、、、






ありがとうございます






また、いらしてね、、、、





店員さんの声を背に






彼女は家路にちきました
、、、、、