2026年のマンガ大賞を受賞し、今最も話題の漫画の「本なら売るほど」(児島青・エンターブレイン)。以前ブログにて、彼は商売の天才であることと、古書組合に加盟するメリットについて書きました。
さて今回は2,3巻を買って読んだので、現役古本屋目線でいやらしいほどイチャモンつけてやろうとページを開きました。
・・・おもしろいじゃん・・・
言うことないじゃん・・・
童夢の値段あがってるよとか、大漢和なんて売れねーよとか、相場に関する話題も織り交ぜつつ、
古本を中心に交錯する人生の機微をさりげなく切り抜いてるじゃん・・・
古本屋を描いてしまってはどうしても作品のリアリティが心許なくなってしまうが、
それは、警察官が名探偵コナンを見てマジレスしているようなもの。野暮というものでしょう。
2巻以降は人間模様を描くことに完全にシフトしているので、それについては特に何も言うことは・・・、
実はいっこだけある。
2巻所収第7話「鷹の眼を持つ男」で主人公に「古本屋でいるより客でいたかった」と言わせているが、これはおかしい。
本が好きで古本屋になったなら、辞めたいなんて絶対に思わない。
だってお客の立場よりも圧倒的に本に触れる量が違うんですよ。本が売れなくなったと言われる現在であっても、普通に商売してたら、どんなに少なくても毎月1000とか2000という量を売り買いすることになると思います。それに組合の交換会に行けば、買うことができなくても、何万冊という本に毎週のように出会えます。
主人公は商売に行きづまってるわけではないだろうし、そんなに立場が変わると本を愛せなくなるのだろうか。
おそらくこのシーンは、お客さんの目線で本に出会いたいというニュアンスとして好意的に解釈するべきとは思います。そうでなければ、古本屋を辞めたいと考えているということになってしまい、作品の根幹がゆらいでしまいます。
主人公は自分の好きなジャンルを専門にしてるからいけないんですよね。もっと自分に興味のない本をたくさん取り扱った方がいい。そうすれば売り買いに心傷むこともなくなります。僕はそうしてます。自分で読みたいものは売りませんもの。
本の世界は広いし、世の中いろんな人がいる。こんな本があるんだ、こんな本が売れるんだっていう発見の連続です。やはり彼は古書組合に加盟した方がいいし、古本屋になりたい人は古書組合に加盟した方がいい。
と、いつもの感じで古書組合の宣伝になってしまいましたが、「本なら売るほど」は古本にまつわるドラマを描いているということで、授賞に値する漫画であると太鼓判を押します。
そして古書組合はいつでも組合加盟店を募集しています。

