さて、夜勤に入った新人の紹介である。

タツヤ君とでもしておきましょう。

若い彼はスポーツマンで、支配人とは地元のスポーツクラブ(チーム?)が一緒らしい。

支配人がスポーツしてた事に驚きを隠せない。

スポーツしてるのに、あの体型!

スポーツマン(笑)である。


まぁ、支配人とプライベートな知り合いという事で、支配人の愚痴はそうそうこぼせないなと思ってた。

だけど、タツヤ君からここで働く事になった経緯を聞けば、どうやら彼も味方らしい。


「いやー。まじありえないっすよ。3か月前くらいから本当しつこく勧誘してくるし、ムリだって言っても聞かないし。」


うわー。すっごい容易に想像できる~。

いつもやってるキレパターンでしょ~。

わかるわかる~。


「あー・・・それで断るのに疲れちゃったんだ?」


「ですよー。ただでさえキレやすいのに俺が断るたびに不機嫌になるから、チームの雰囲気最悪だしで・・・」


「それは、災難だったねぇ・・・」


私が思うのは、支配人は面食いなんだと思う。

美人やイケメンには優しいし!

キヨ君やサクラへの執着見てるとそんな気がする!

タツヤ君も私の好みからは外れるけど、世間ではイケメンと呼ぶ部類に入ると思うしね!


タツヤ君はちょっとチャラチャラしてるテンションだけど、あの支配人にもしっかりNOと言っちゃう子で結構強い子だった。


「タツヤたまには飲みに付き合えよ!」


と、支配人が言っても


「忙しいんでムリっすね」


と、キッパリである。


「俺の方が忙しいけどな・・・」


と不満そうにブツブツ言ってるけど、タツヤ君は気にしない。


その断り方で少し不機嫌にはなるものの、たぶんこれが支配人相手には一番正解な断り方なんだ。

若パパさんとかは、大人らしくオブラートに丁寧に断るものだから

結局ごり押しされて、飲みに連れて行かれてた。


「しんどかった」


と、若パパのゲッソリ報告を聞けば・・・誰だって一緒に飲みには行きたくないだろう。


そして、タツヤ君のすごい所はキレてる支配人へのスルー力である。

私とタツヤ君が業務に関して話してる間に、ちょっとでもキャッキャウフフな感じになると支配人はキレる。

二人で盛り上がってるのを見て、自分が仲間はずれになってる感がイヤなんだろうけども


「おい!タツヤ遊んでるんじゃねぇ!!」


と、いきなり前触れ無くキレる。

ユイさんは驚く。え、なんでキレ始めたの!?とか思いながら

だが、タツヤ君は違う。


「いや、遊んでないっす。じゃぁ、ユイさんこっちの処理やって来ますね」


と言って、さっさと去っていく。

振り上げた拳(キレかけた口)が下ろせなくて、ちょっと不完全燃焼な支配人を見るのは少し楽しかった。

そのスルースキルどこで学んだんですかね!?

とってもすごい!!


支配人への免疫もありそうだし、この子は意外と長持ちしそうだなと

ユイさんは深く安堵したのでした。

むしろ、この子は支配人への攻撃力高いかも!!

エースになるかもしれない!!勇者なのかもしれない!

パーティー強化に成功したユイさんは少しだけ気持ちが楽になった。

調子が悪かった胃腸も少し元気になったような気がする!


タツヤ君の加入により、ユイさんの夜勤ライフは少しだけ楽しさを戻しつつあったのでした。