統合型リゾート推進法成立から見える野党の現状

 

カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を推進する議員立法が、参議院での修正の後、衆院に回付されて可決・成立した。この法律は、2010年に設立された超党派の議員連盟「国際観光産業振興議連」で取りまとめた議連案を骨格に、自民党と日本維新の会が中心となって昨年四月の通常国会で提出されていた法律案だった。

 

そもそもこの「国際観光産業振興議連」は自民党や日本維新の会所属議員を中心に、現民進党の議員も数多く参加している。つまり、最大野党・民進党の中にも「賛成勢力」が存在するのだ。民進党の中でも地名度のある前原誠司氏や、松野頼久氏がこの議員連盟に参加していた。

 

このように、「賛成勢力」が党内に一定程度存在するにも関わらず、なぜ民進党の態度は「不信任決議」「問責決議」案の乱発を行ったのだろうか。

ここに民進党の愚劣さが顕著に表れている。

 

多くの議員が所属する政党であれば、基本的な政策合意や国家観は同じであっても、一議案で党内で賛否が二分することも多くあるだろう。

党内議論とは、これを埋めるためにあるものなのだが、民進党は民主党時代と同様に、党内での意見集約が下手くそである。全く成長が見られない。執行部が「トップダウン」で物事を決していたら、党の結束力の低下を招き、自民党が利するだけである。

極めて政治性の低い「IR法案」でさえ、意見集約できない政党が、「政権獲得」を目指すとはバカも休み休み言え。

 

 

野党が無力では、政治は良くならない。

英国貴族はこう言った。

「絶対的権力は絶対に腐敗する」

政権与党の権力腐敗を防ぐのは、他でもない野党の役割であり、責務である。

民進党には同法の対応の悪さを改めて再考してほしい。

 

 

(そもそもIR法案は今国会で成立させるべきものだったのかなあ?)

明日は、IR法案の中身について解説したい。