こんにちは
昭和49年生まれの映画好き男です。
今日観た映画、想い出の映画、青春時代を象徴する映画など
の感想をツラツラと書き記すシリーズです。
忖度一切なしで率直に書かせて頂きますので、
中には不適切な表現もあるかもしれませんが、
あくまで個人的な感想、意見ですので
何卒ご容赦のほど宜しくお願い致します。
私にとって悪い評価の映画も、良い評価の映画も、
是非皆さんが実際に観て、ご自身で感じ取ってください。
※以降お名前は敬略称にて失礼致します。
今回は『闇にうかぶ微笑み』
1973年4月7日~5月12日にかけて
日本テレビ系『土曜日の女シリーズ』
で放映されたTV映画です。
この『土曜日の女シリーズ』は、
前身の『火曜日の女シリーズ』は、
1969年11月4日~1973年3月27日まで
毎週火曜日夜に1時間枠で放送され、
1973年4月7日~9月までは
放映曜日の変更に伴い
『土曜日の女シリーズ』として放映された
日本初のサスペンス・ミステリー系の
本格連続ドラマとして知られる
伝説のドラマシリーズです。
プロデューサーの1人、山口剛は
初期の『太陽にほえろ!』のほか、
日テレ火曜夜9時のアクション
刑事ドラマ枠で
『大都会シリーズ』、『大追跡』、
松田優作主演の『探偵物語』、
『大激闘マッドポリス'80』、
『プロハンター』、
更に『火曜サスペンス劇場』でも
多数の作品を手掛けた方で、
『火曜サスペンス劇場』の
パイロット版的な作品と言えます。
『火曜サスペンス劇場』と違い、
1時間の放送枠ながら、
1つの作品に対して基本的に
6話で構成されており、
長編映画2~3本分のボリューム
なので見応えがあります。
本作も16mmと35mmの差や
スタンダードサイズとワイドの画角の差
などはあれど、映画同様のフィルム撮影で
脚本、演出、演技陣のテンションや
完成度も高く、重厚な作品となっております。
この『火曜日の女』、『土曜日の女』
両シリーズは『ルパン三世』や
上述の『大追跡』、『大激闘』、
『犬神家の一族』、『人間の証明』
などの初期角川映画、
松田優作の『遊戯シリーズ』、
NHK『小さな旅』などで知られる
かの大野雄二が多くの作品で
音楽を担当しています。
特に『土曜日の女』シリーズは
全作で音楽を担当しています。
大野雄二も自伝やインタビューなどで
ドラマや映画の劇伴、作曲をする上で
サスペンス調の楽曲制作のベースと
なった作品と語っており、
大野雄二のキャリアを語る上でも
非常に重要な作品です。
ちなみに本作の選曲は
後に『ルパン三世』をはじめ多くの
ドラマや映画でタッグを組む事となる
鈴木清司が担当しております。
但し、スピーディーな展開はない
サスペンス作品という事もあり、
音楽使用頻度も余り高くない作品なので
氏お得意の超絶技巧の編集や
高度な選曲は見られず、
ごく普通の選曲でした。
大野雄二の音楽も、劇伴作家として
まだキャリアが浅い時期という事もあり、
曲としてはまだ弱い部分がありますが、
出音の段階ではっきりと大野雄二と分かる
メロウでジャジー、都会的で洗練された
「大野雄二節」といえる
お洒落なサウンドは既に形成されています。
劇伴作家は無数にいますが、同じような
いかにもサスペンス調の曲でも
大野雄二の作品は独特の気品や格調、
色気、存在感があり、非常に個性的で
正にOne &Onlyな偉大なアーティストだと思います。
氏も一時熱心に研究して影響を受けたと
言われている、映画『コンドル』などの
デイヴ・グルーシンや、
都会的なウェスト・コーストジャズに、
大野雄二特有のセンスや
日本人的な緻密で繊細な職人的な
作編曲が合わさって、他の追随を許さない
作品が産みだされたのだと思います。
サスペンス調、幻想的な楽曲で2曲ほど
後に『ルパン三世』でもよく耳にする
楽曲が作られており、
このシリーズからも『ルパン三世』などの
作品に楽曲が流用されているのが
わかります。
『火曜日の女』シリーズのサントラは
最初に担当した佐藤允彦の作品は商品化
されていますが、大野雄二の作品は
今まで一度も商品化されていない筈なので、
是非CD化して頂きたいものです。
私は大野雄二目当てでこの作品を購入しました。
ちなみに過去商品化された同シリーズの
大野雄二担当作品は
喪服の訪問者
になります。
これらの作品は正直余り出来が良いとは
思えなかったので、今回も全く期待せずに
観ましたが、期待を裏切る出来でした。
出演されておられる役者も皆さん
素晴らしいのですが、特に
峰岸徹(当時は峰岸隆之介)が
素晴らしかったです。
峰岸徹は少なくとも私が観てきた作品では
殆どが犯人役とか悪役ですが、
本作では敵か味方か、善人か悪人か、
最後の方まで分からない、
ミステリアスな役柄を見事に演じ切っており
シャープで恰好良い、ダークヒーロー的な
魅力で光り輝いていました。
安定した重厚な演技力と、最後に
美味しい所をかっさらって行った
池部良も良かったですw
途中昔の連続ドラマあるあるの
「はぁ!?なんでやねん!」と
思い切り突っ込みたくなる所とか
優柔不断でイラ~ッ!とする所、
尺を稼ぐために強引に話を伸ばしている
と感じる所も何度かありましたが、
総じて冗長な部分や中だるみは
殆ど感じず、大変よく出来た作品でした。
大野雄二や出演者のファン以外でも、
古き良き昭和の作品を楽しみたい方は
一見の価値はある作品だと思います。
現代のような表面的な派手さや
目まぐるしいスピード感はないので
地味に感じるかも知れませんが、
現代は失われてしまった、アナログ特有の
生身の人間、本当のプロフェッショナルが
手作りで作り上げる人間のぬくもりや
熱気が感じされる、総合芸術作品だと思います。
こういう埋もれた良質な作品の発掘が
益々盛んになる事を祈ります。




















