【世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術】
を読みました。







内容的には、「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」というベストセラーの本に近いです。
(シリコンバレー式 自分を変える最強の食事の読書感想文はこちら


この本のメインの内容としては

・糖質を制限した方が良い
・脂質をたくさんとることの重要性
・脂質の中でもいいアブラをとるべき
・朝食抜きのプチ断食の有効性


というものでした。







この本で書かれているように

脂質制限はしなくても良い、良いアブラをたくさん摂るべきだというのは

まさにその通りだと思いました。

特に参考になった点としては、良いアブラとは以下のようなアブラということでした。

・ギー(グラスフェッドバター)
・バージンココナッツオイル
・エキストラバージンオリーブオイル
・亜麻仁油(またはヘンプシードオイル)



ただ、科学的に書かれている本ではないので

糖質を摂ることのマイナス面を強調している点に関しては残念ながら間違っている点が半分くらいです。



例えば、

1万年前の人類が摂っていた糖質が1年間で小さじ22杯
現代は1年間で小さじ21万1400杯
糖質の摂取量は桁違いに多い。これが身体に良いわけがない。


という風に書かれていました。

しかし、1万年前の人類の平均寿命は14~15歳、現代の日本人の平均寿命は80歳を超えており、現代人の方が健康的なのは明らかです。

糖質を悪者にする根拠にはならないですし

1万年前と現代で糖質の摂取量を比較することに意味はないでしょう。



比較するのであれば、糖質制限ダイエットとカロリー制限ダイエットの死亡率や合併症の発症率の差・違いを調べた研究などを引っ張ってくるべきです。

ちなみに、糖質制限ダイエットとカロリー制限ダイエットで循環器疾患のリスクの差はないという研究結果はあります。
<参考文献1>


なので、こういう本で糖質制限に関して誤った知識が広がってしまうんだろうなと思いました。

全体的に良い本だと思いますが、それがちょっとガッカリしましたね・・・。



世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術/サンマーク出版



参考文献
1 Naude CE et al:Low carbohydrate versus isoenergetic balanced diets for reducing weight and cardiovascular risk: a systematic review and meta-analysis.
PLoS One. 2014 Jul 9;9(7):e100652. doi: 10.1371/journal.pone.0100652. eCollection 2014.