「あの人難しいわよ」

同行した看護師が言う

「そんなのわかってますよ、もう破綻してるじゃないですか」ボランティアの先輩鮎川さんが言う

「だって糖尿なのに喫煙して、膵嚢胞なのに喫煙して、三叉神経痛なのに喫煙して、動脈硬化進んでるのに死にたいんですか」

「仕方ない、我慢って事が出来ないから」

「ああ言えばこうゆうって人なの、」

「天涯孤独で孤独なんじゃないですか」

「恋人の話するけれど相手にしないでね、ああいう病気だからどこまでホントかわからないの。生活も破綻してるけれどあの病気が入れる施設は少ないし、」

「あの突然死しないですかね」

私は思わず口を挟んでしまった

「そりゃあ、あれではね当然でしょ」

「医師は何も言わないんですか」

「言っても言うこと聞かないから無駄だもん」

「それじゃ栄養指導に意味あるんですか」

看護師は軽く笑って言った

「だってあの人ほとんど料理しないけれど」

「今日炊飯器で角煮作るって言ってましたよ」

「年1くらいじゃない。食べたくなるとコンビニに出かけて食べたいだけ買い込んでお腹いっぱい食べるの」ため息をついた

「それじゃお金足りないんじゃ」

「お金なくなるとすうどんや食パン食べてるらしいよ」

鮎川さんがため息をついた「栄養指導より生存確認の意味が強いの」

 

 

斉藤さんには好きな人がいる。

色々話を聞く限り、信じられないくらい下品で頭の悪い男なのだが

斉藤さんはそう思っていない。

運命の相手だと信じている。