大三治は今日も大惨事-20100414094825.jpg

たまには
外に出ないと、
アンタ、死ぬよ。

そんなこんなで
古い友人に
連れ出された私。
家の前に来たから出てきてー
と、朝一番から
拉致する気満々な友人。
まずアポをとれよ、アポを。
私は祖母の喪が
まだあけていないのだ(GW現在)。


なんか最近
外出すらイヤなのに、
世の中はGWときている。
どこでも人や車だらけだろうに。
気分が乗らん。

でもまあ、
ややめんどくさくはあるけれど、
こうやって
連れ出してくれる人がいるというのは
ありがたかったりもする。
こうでもないと
家を出ることもないし。



で、特に目的もなく、うろうろ。
このドライブ、人生に似ている。


「うおっ!
 アイス食べたい。
 アタシは長時間アイスを食べないと死ぬんだよねぇ。
 さすがのアタシも
 もうすぐ瀕死だよ。」

いきなりのカミングアウトに
驚愕したものの
瀕死ってどんなものか見てみたかったので
後学のために
是非、死んでみてほしい
と伝えた私。

そして、
無視された私と私の発言。
有無をいわさず
車は、とあるアイス屋でとまった。


その
某数字の並んだ店で
アイスを買ったのだ。

もう、めんどいから一個でよくない?
と言うから、
一つずつ選んだのを
ツインにしてもらった。

あ。アタシ細かいのないや。
かといって、
大きいの崩すのもねー。
出してくれない?
くれるよねドキドキ

なんか口調が優しいのが
気持ち悪い。
いつもの調子で
奢れよ
と言えばいいのに。
古くからの付き合いで
裏も表も知ってるんだから
今更キャラ付けしようとしても
無理ってもんよ。

素直に
気持ち悪っ!
殺すぞ。
と返しておいた。
でも
私が金を出さなかったがために
運転中に死なれたら困るので、
アイス代は出しておいた。
まあ、車代みたいな感覚で。



で、
つつがなくアイスを手に入れて
店を後にしたわけなのだが、
友人のあまりのアイスの食いたさ故に
突如、私が運転することになったのだった。

ついこの前、
ようやく医師の許可がおりたため
(ただし、
 体調がいいときに
 短い距離だけ
 との条件つき)、
久々にハンドルを握った。
ハンドルの他には
アクセルとかブレーキを踏んだりとかも久しぶり。

ミラーの角度を変えたりもした。

いや、あの、ほら、
座高が高いわけじゃないのだ。
幼少の折り、
たくさん歩いたものだから、
ホントはもっと長身だったわけだけども
すり減ったのだ。足が。

すり減らずにいたならば、
私の身長の高さは
福岡タワーのそれに
匹敵していたと言われている。
まあ、足はすり減ったものの、
今のところは不便だったことはない。

すり減った足に関して
一つだけ挙げるなら、
ズボンを買う際に
結構布地を切ったりするけど、
その布地の分だけ
安くしてくれりゃいいのに
と思う程度だろうか。




久々の運転で
冷や冷やだった私を尻目に、
友人は助手席で

この二つのアイスは
合わないねえ。
これを選んだあんたのセンスがわかんない。
アタシは最初から合わないと思ってたんだよねー。
ま。一つずつならおいしいけどね。

とかなんとか言いながら
呑気にアイスを食っていた。
初めからそう思っていたなら
ツインになんかしなけりゃよかったのに。
というより前に、
ブランクありまくりの私の運転に命を預けて
怖かったりしないんだろうか
と思った。

幸いにして
死なずにすんだから
今こうして
駄文を書けているわけだけど。



急遽決まった目的地はパスタ屋。
急に目的が決まるのも
人生に似ている。

友人のいうその場所につく少し前、
突然に眩暈を覚えた私は
運転を代わってもらった。

もう交代?早すぎない?

ぶーぶーと文句を並べ立て
露骨にいやな顔をしながらも、
すんなりと代わってくれた。

席を替わり
シートベルトをしめる。

あー。そうそう。
はい、これ。

出発の直前に渡されたのは
紙屑だった。

なにこれ。
あっ。
ぎゃー
この女、
アイスを全部食いやがった!
一口もくれずに
残さず美味しくいただきやがった!
私のメロンシャーベットがあ!

メロンシャーベットを食べる予定になっていた私の口を
隙間なく満たす喪失感。

はいこれ、って
どれだよ。



そして、
「新しい気になるパスタ屋」
という触れ込みで
はるばるやってきたパスタ屋は
ただのジョリーパスタでした。
チェーン店ではないか。

外 観 が 凝 っ て い た だ け

ゴールが意外としょぼい、
それもまた
一つの人生の側面かもしれない。
なんだ、このドライブ。
しかし否定はしないでおく。
人生をも否定したような気分になるのは避けたいから。



隣町にもあるという
昔よく行っていたパスタ屋で
昔の自分の定番パスタを食している間ずっと
やや微妙な空気が
私たちを包んでいた。




家路をたどる車の中で
今日はどうだった?
と聞かれた。
まあ、概ね楽しかったよ。
と答えたら

よかった

と一言つぶやいた友人。

なんだか雄弁な一言だった。

この一言をいうために
或いは聞くために
今日一日を共に過ごしたような気がした。

その直後、
私の口から
自然に出てきた一言は

ありがとう

だった。
長い付き合いの中で
こいつに使ったのは
初めてかもしれない。


らしくないなー
そんなセリフ。

とかいいながらも、
友人の横顔は
照れくさそうににやけていた。

釣られて私もにやけた。
なんだか照れた。




なーんてことを
妄想しながら
ずっと寝ていましたよ、GW。


せっかくだから
なんかで出かけたときに
眼科じゃなくて耳鼻科なのがもどかしい!
と思った看板の写真を
貼っておこう。


ではまた