恋をしたときの
どきどき感。
あの、甘酸っぱい感じ。
知らない間に私も
枯れてしまっていたのか、
だいぶ長いこと
ご無沙汰だったんですよ、これが。



おもえば、
昔は一目惚れとか
よくあったもんです。

最近ではですね、
燃え上がるような感じではないですが
ゆっくりゆっくり
恋心が湧いてゆく、
みたいな感じに
なってきたかも知れません。
ふと気付いたら
いつの間にかここにあった、
みたいなね。
「好きかも」って
思った時点で
恋は始まっています。



恋をしているときの私は
強くもあり
弱くもある。
最高に効率の良いエネルギー源である一方で
一番のウィークポイントでもあるのですよ、
恋は。
目的にもなれば
手段にすぎなかったりもするし、
両想いが必ずしも最高だとも限らん。

得てして
恋なんていうものは
想像通りには運ばないんですよね。
良くも悪くも。



まあ、
私という野暮ったい人間が
いくら想像をしたところで
うまいことその通りになる
わけはないよなあ。
それを踏まえて、
私は
精一杯の虚勢を張るのです。
「わかんねーからおもろいんだよね」
とか
強がりながら言うのです。



これは内緒なんですけどね、
私の中には
私が何人かいるんですよ。
その内の一人
恋をしている私、は
なかなか素敵です。
客観的に見ても。



そんな素敵な私の一人が
いま、前面に押し出されているのです。
これはなぜか。
それは、私が今
恋をしているからです。
甘酸っぱいのです。



あれ?
しかし対象が誰かわからん。
よくよく調べてみたけれど
恋なんてしていないようだな。
なのに甘酸っぱいのは
なんだろう。



あ、今舐めている
梅ジャムか。
道理でいつもの甘酸っぱさとは
違うわけだ。



結局は、
梅ジャムおいしいよね、
という話。