5月からの延期公演『ドヴォルザーク・セレクションⅠ 』
2021年8月4日(水)午後7時開演 ザ・シンフォニーホール
指揮:高関健*
独奏:岡本侑也
ドヴォルザーク作曲
序曲「自然の中で」作品91
チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
交響曲 第7番 二短調 作品70
6年ぶりに大阪フィルにいらして頂いたマエストロに初日のリハーサル後にお話しを伺ってみました。
〜久しぶりの大阪フィルだと思いますが、この間に新しいメンバーが増えました。だいぶ印象は変わったと思われますか。
確か前回は、新潟で未完成、運命、新世界をやったのが最後でしたね。
新しいメンバーにだいぶ変わりましたね、特に管楽器が。でもオーケストラのカラーというのは引き継いでいる様に感じています。
ーー今回のコンサートはドヴォルザークばかりの作品ですが、先週末もチェコのプログラムを取り上げられたと伺っています。
はい、東京シティフィル*でスメタナ の我が祖国の演奏会でした。今回はドヴォルザークという事でボヘミア週間なんです。
ほとんど演奏される機会のない「自然の中で」のスコアは、1994年に群響**のヨーロッパツアーで『プラハの春』の音楽祭でプラハを訪れた際に入手した物を使っています。
ヴルタヴァ川を渡ったプラハ城の近くの楽譜屋だったと思います。
ーー序曲「自然の中で」は、私も今回演奏するのが初めてかも。って思っていたのですが2008年にエリシュカさんで演奏会をしていました。
もちろんその頃に演奏しているメンバーばかりではないのですが。
そうでしたか、エリシュカさんで。
この序曲は3部作になっているので自然の中にのテーマが謝肉祭に出てきたり、何処かしらに知ってるメロディが入っています。
ーーマエストロは、ベルリンに留学されていましたが、その頃の事についても少しお伺いしても宜しいでしょうか。
大学4年生の時に、日本でカラヤンコンクールというのがあって、そこで優勝させて頂いたのがキッカケでベルリンへ留学しました。
ザルツブルクの音楽祭について行った時に、カラヤンに3日後にベルリンフィルの本番があるこの曲を勉強しておくようにとある曲のスコアと音源を渡されたんです。
必死に勉強していたら本番の前日に「自分も勉強するからスコアを返してくれ」といわれ
本番当日、「君が振りなさい」って指揮台に立たされたら譜面台がなかったんです。
カラヤンは暗譜で振られるので…。
でもなんとかその曲を振り終える事が出来、そこからアシスタントとにさせて下さったのです。
ーーそれはまるでアシスタントの試験の様な感じですね。
はい、試験だったんだと思います。
ーー貴重なお話ありがとうございます。
いまは海外に行くのが難しいですが、最後にベルリンへ行かれたのは何時ごろでしたか。
2009年8月に東京藝大のオケでヨーロッパツアーした時だと思います。
ちょうど須山さん、宮田さんが学生オケに乗っていた頃で優秀な生徒が集まっていた学年だったと思います。
ーー今回もカメラを持参されていらっしゃっていますが、マエストロのSNSでお写真を拝見させて頂いています。
電車や街の風景など様々な写真を撮られていらっしゃるのをいつも楽しみに見させて頂いています。
色々なお話しを聞かせて頂きありがとうございました。
文: 石田聖子
*常任指揮者を務める東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
**名誉指揮者を務める群馬交響楽団 1993〜2008年音楽監督