旧い聖書のお話ですが


民が荒野で飢えていて


預言者が神に祈ると


白くふわりとしたものが空から舞い降りました


まるで粉雪のよう


でも砂漠の民ですから生涯雪は見知りません


ためしに口にしてみると


ほのかな甘さが体内にしみ入ります


干乾びた体内に微かな灯りがともります


みな涙を流して神への感謝を捧げます


涙のからさがその甘さを引き立てます


神が自分たちを見捨てはしなかったと


白く甘い天の恵みに勇気づけられ


民たちはあと何十年も荒野を彷徨います


約束の地にたどりつくまで