千葉県旭市 龍福寺の隧道(2/2)。 | 水辺の土木遺産

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水辺の土木遺産、冠水橋や流れ橋、石橋やレンガ樋門など、自転車で見て回りながら、ついでに狛犬なんかも追いかけています。

今年の四月末、久しぶりに屛風ヶ浦を走るために銚子を訪ねましたが、

午前中で目的を果たした後は刑部岬、猿田神社、見広大阪の滝跡と巡り、

見広大阪の北にある龍福寺へと向かいましたが、

龍福寺の駐車場から仁王門を左手に見ながら直進した先にあったのがこの隧道。

 

下総にあるまじき、上総地方で見られるような素掘りの隧道が、

まさかお寺の敷地内にあったとは……。

 

私たち、どちらかと言えば道路系の趣味の人間は、

こういったお寺や神社の敷地内にある、信仰の道は見落としがち。

アンテナは高く伸ばすだけではなく、いろんな方向に向けないとだめだなぁ、と、

改めて感じますが、素掘りの隧道に限定せずとも珍しい、

隧道内の坑内分岐には驚かされました。

 

 

こちら、私が出てきた坑内分岐。

元が何のための物だったのかは不明です。

宗教系だけに、分岐に籠って座禅でも組んで何かの修行とか、

或いはこの分岐にずらりと仏像でも並べる予定だったということも考えられます。

実際に、上総の方にはコの字型に掘られた隧道で、左右の壁面に摩崖仏が彫られている、

大悲山岩屋堂なんて物件もありますし、

安房(上総の更に南側)のお寺では、入り口に板が打ち付けられていて入れませんが、

斜めに登っていく謎の隧道(人ひとりがギリギリのサイズ)なんてものがあるお寺もあります。

 

というわけで、

考えても何のためのものだかさっぱりわからないので、考えるのはやめにします(^-^;

 

さて、龍福寺方面を仮に「入り口」として、

先ほどの坑内分岐は左の壁面にあった坑内分岐でしたが、

右側の壁面にも坑内分岐は見られましたが、一旦、出口方向に向かうことにします。

 

すると、

 

すぐ先の右手にあるのがこんなもの。

仏像の奥にはまたも小さな穴があり、右に向かっていますから、

これが先ほどの坑内分岐の出口なのでしょう。ホント、何のためのものなのか……謎ですね。

 

 

ともあれ、出口です。

出口の先は道が右手に続いているように見えます。

 

 

と、いうことで、こちらが出口。

隧道を出た先は小さな広場になっていて、隧道出口から向かって右手に
 

 

中央に小さなお堂が置かれています。

もう少しメンテナンスしてあげても良いのでは?(^-^;

 

お堂の正面に向かっては、

 

 

小道が続いています。

隧道入り口側の道の先が、ここに続いていたのかも知れません。

 

 

出口の脇にはこの通りです。

それでは気になる入り口から向かって右手の坑内分岐に向かうことにしましょう。

 

 

改めてこうして見ると、軽くS字型に坑内はカーブしているようです。

 

 

そしてこちらが問題の坑内分岐。

暗くて分かりづらいのですが、少し先に出口が見えているので、

ここも仏像脇からコの字を描くように道が続いているようです。

 

 

それでは入洞!

と、この先の写真がありません。

実は突き当りから足元がぐちょぐちょの泥状でして、

さらに、壁面は砂岩質とも異なる、もっと粒子の細かい、蝋のような手触りなんですが、

それが濡れるとどうなるか? 滑ります。

 

ずるっっと滑って手をついてしまい、

砂よりも粒子の細かい泥が付いた手でカメラをいじると壊れそうで、

気持ちの悪い足元の泥と、狭い坑内でずりずりとリュックをこすりつつ、

情けない気持ちで本坑との合流に到着。

 

仕方が無いので、龍福寺の手水舎へととって返しました(^-^;

それでは出口方向から、360°カメラの写真など。

 

 

こちらが出口川。

360度写真ですので、周囲を見回してもらえれば、左手後方にお堂が見られると思います。

こういうところではこの装備で十分でしたが、

 

 

入ってすぐの辺り。

この辺りでも、香料不足で360°があまり役に立たない……。

 

 

もう少し進むと、こちらの坑内分岐。

この辺りになると、本当にライトの当たった場所しか見えません。

360°カメラを主力にして以降、どちらかと言えば橋ばかりだったこともあり、

何よりも、行き先が屛風ヶ浦ということで、チェックしたこの隧道をすっかり忘れてたのが痛い。

 

この失敗から、

この後に訪ねた木ノ俣用水隧道の時には、

もう少し周囲を照らせるように考えた装備にしてみたつもりですが、

狭い水路隧道だから有効だった装備も、こういう自動車でも通過できる規模の隧道の場合はどうなのか?

やはり自転車ツーリングで持ち運べる光量では、力不足のような気もします。

 

余談ながら、

この隧道は前回の写真から分かる通りに入り口が階段です。

つまりは人が通過するためだけの隧道ということになるわけですが、

それでも自動車で突っ込めそうな断面で掘ってしまうのが房総の隧道ですw

 

 

そのすぐ先には、最初に(前回の記事で)通り抜けた坑内分岐。

 

私たちのような趣味の方であれば、足元が悪くて狭いと分かっていても、

仏像側にも突撃せざるを得ないでしょうが、一般の方がどちらか一方だけ通ってみようかな?

という場合、足元の良い、こちらの分岐をお勧めします。

 

 

更に少し先から。

仏像脇からの坑内分岐の出口が左手に見えますね。

 

 

そして、龍福寺方面の出口です。

左の壁面には所々に穴が穿たれていますが、

上総の隧道を楽しんだことのある方ならお察しの通り、

壁面から染み出した水滴が上から落ちてきて穿たれた穴です。

人工的なものではありません。

 

 

最後に前回と同じ写真ですが、振り返り。

上総地方にもまだまだ知らない場所があるものだと、考えさせられる物件でした。

 

 

さて、隧道や橋梁といった私のブログとは全く関係ありませんが、

8/9 22:50からNHKで「これがわが社の黒歴史」の第3回として、

「ブラザー工業・早すぎた配信ビジネス」が放送されます。

 

私、高校生の頃はPC98で「一太郎(ジャストシステムのワープロソフト)」に向かって

日がな一日ワープロの練習にいそしむ合間にPC98でパソコンゲームをやっていた人間でして。

ミシンメーカーとして知られるブラザー工業、

Windows? なにそれ? という、MS-DOSの時代には、

PCショップ店頭で画面のタッチパネル(ブラウン管)で選択したソフトを

その場でディスクに書き込んで販売するというソフトの自販機「ソフトベンダーTAKERU」を展開していました。

 

ソーサリアンの追加シナリオや、

シナリオもマップも自動生成のティル・ナ・ノーグなど、色々とお世話になったものです。

 

黒歴史の第1回は、発売日に「あの」秋葉原で3台しか売れなかったバンダイのゲーム機「ピピン@」でしたが、

あれだけPCゲーマーのみんながお世話になったTAKERUが同じ扱いというのは、

何とも世知辛く感じますが、放送が楽しみです。

 

それにしても、セガ回はまだでしょうか?

セガの回には絶対に「シェンムー」だと思っているのですが……。

 

NHK繋がりでもう1つ。

8/9以降、午前4:20とか微妙な時刻に、人形劇「平家物語」の再放送を

毎日2話ずつ放送するようです。

 

「NHK人形劇三国志」と同じ人形師の川本喜八郎さんの人形劇ですね。

人形劇三国志はMCが島田紳助さんだったので、

今の社会情勢的には再放送してくれそうにもないので、

こちらで我慢しようと思います。