福島県西郷村 甲子山登山道。 | 水辺の土木遺産

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水辺の土木遺産、冠水橋や流れ橋、石橋やレンガ樋門など、自転車で見て回りながら、ついでに狛犬なんかも追いかけています。

写真整理のついでに、doodoongooさんの隧道道で紹介されていた分岐隧道『きびたきトンネル』の補足など。
(おもにクイック・ニックさんに宛てて(笑))

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こちら、直近で昨年5月に自転車で通過したときの様子ですが、この時も日暮れ後でした(苦笑)。

場所はこちら。


地図の中央が写真の位置ですが、このトンネルが一部の人たちにそこそこ知られている原因は、実はこのトンネルとは別の所にあります。

また、左にスクロールしていただくと一般道の国道トンネルとしては割と破格の長さを持つ甲子トンネルが見えてきます。また、地図の中央より少し左上に甲子(かし)温泉の文字が見えるかと思いますが、甲子トンネルが一般に開通した翌日までは甲子温泉をズームすると見える川を渡る橋の渡り口にはこんなものが。

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えぇ、甲子山登山道こと点線酷道の289号線です。
ここからちょうど先ほどの地図で温泉マークの辺りまで進むと見えてくるのは、クイック・ニックさんなら確実にご存じであろうと確信していますがコレです。

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もう少しアップで。

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甲子トンネルの開通により交通の便が良くなった今、残しておきさえすれば青森県は津軽半島西北端にある竜飛岬の階段に負けない名所になったでしょうに、開通した翌日には取り払われてしまったそうで、残念な事です。

1度目の訪問の際には、千葉の自宅から自走で当時は有料だった那須甲子有料道路経由で向かったために、日もとっぷり暮れた後に真っ暗闇で看板を撮影(苦笑)、上の写真は甲子トンネルが貫通した後、撤去される前に陽光の下で拝みたいと、再訪した際のものになります。

折角なので、初回訪問時に甲子トンネルの手前で(殆ど来ないけれど、私のような)一般人が入り込まないように交通誘導をしていた初老のおじさんと話し込んだ際に聞いた甲子道路の笑えないお話など。

一度は開通させながら、岩盤の問題で掘りなおしたというきびたきトンネルからもお察しいただける通り、なんとしてでも開通させる必要があるほど地元からは渇望されながら、割と投げやりに気丈で選を引かれてしまった甲子道路ですが、税金の無駄遣いは、きびたきトンネルの掘りなおしだけでは無かったりします。

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こちら、甲子トンネルの手前にかかる甲子大橋(写真は開通前のもの)を、点線国道の登山道から撮影したものになりますが、実はこの橋、一度目の架橋の際には架けてみたものの甲子トンネルに接続できず、1億5千万円以上の巨費を投じて作り直すことになったのだというのが、交通誘導のおじさんのお話でした。

……いやはや、困ったものですね。

ちなみに、登山道国道は制覇とは言いませんが、頂上だけはしっかりと徒歩で踏みしめてきましたが、なみの登山道よりも相当に酷く、ところどころで道が崩れて存在しなかったりしたことと合わせて、私が訪ねた2008年6月末にはドウダンツツジが無数の花を付けていて、とても綺麗だったことも書き添えておきたいと思います。