月とコンビニ


(はっきりと好きな人がいるのではなく、毎夜コンビニにいる数分だけいつも見かける相手を密かに想う恋愛ソング。社会と家の狭間にある空間を歌詞にしたかったのですが、曲付けは難しいかも?)

 宇宙センターみたいに 
 明るい光を発した駅を離れると
 人々も散らばり 
真暗な時間の中 しーんとしてる道を歩く

 この不思議なコンビニができたのはいつだろう
 暗い道の途中でまぶしく光り いつも私を待っている
 中には さっきの電車でいっしょに降りた人もいるみたい
 だけど無言 ずっと無言
 そういえばあのスーツの人は 電車を降りるとき 降りない連れにこう言った

 「うちは駅から遠いのです」

 私はうんと年下の学生だけど
 ここにいる6分だけアナタのことを意識します
 ため息を我慢する人でいっぱいの 
 この空間があたたかいから

 ところどころ壊れてる 
 街灯が途切れ途切れの道は寂しくて
 同じ県名の車が
 たまに通るだけ 私はひとりきり歩く
 この不思議なコンビニはいつからあるのだろう 
 昼間ここには何も建ってないのに 夜は誰かを待っている
 昼間は何もないことを不思議に思う人はいない
 レジで無言 出入りも無言 
 たまに見かける10時5分のアナタ 今日もいるかしら 誰かの電話が響く

「適当に買って帰るから」

 私には待っている人がいるけれど
 ここにいる4分だけアナタのことを意識します
 苦しみを癒したい人がすれ違う 
 この空間があたたかいから

 缶チューハイ ポテチ おりぎり アメリカンドッグ
 彩られた君たちは
 誰よりも生き生きして見える
 蛍光灯の上と下の世界は
 月がひとつであるように
 人と一定の距離があるように
 真実はひとつのはずなのに
 心は 誰かに 傾いている‥‥


 ストレスと別れを抱えた私だけど 
 ここにいる2分だけアナタのことを意識します
 ため息を我慢する人々でいっぱいの
 この空間があたたかいから

 うちは駅から遠いのです 
 うちは駅から遠いのです
 うちは駅から遠いのです‥‥