私は、東京オリンピック開催の時期に幼稚園児

だった世代である。佐藤栄作氏が総理であり、

日米安保に就いて世論が沸騰していた頃、小学生

時代を送った。

 当時の私たちには、ゴジラ、ウルトラマン、ガメラ、

大魔神、赤影等々怪獣映画はカリスマ的な存在だった。

当時、僕は「こんなに文句なしに面白いものを否定

するやつは、余程の分からず屋かアホだと、テンから

信じて疑わなかった。でも、僕は成人になってから、

僕のアイデンティティを壊されるような話を次々聞かさ

れた。怪獣博士の筈の大伴昌司氏でさえ、実は東宝の

怪獣・怪人・SF物をくそみそにけなしていたと、平成に

入ってから知った。

 他ならない、世界に怪獣映像と云う素晴らしい文化を

確立した立役者、本多猪四郎氏、円谷英二氏、伊福部

昭氏本人自身も嫌々ながら、怪獣映画を作ってたらしい。

 まあ、60年代は兎に角スクリーンに怪獣出したら子ども

たちに圧倒的にウケてたのだ。本多氏と円谷氏は本格的

なSF映画を作りたかったらしいが、例えば63年の「妖星

ゴラス」の海象怪獣マグマなんか、ちょい役でも出すように

会社から言われると、本多氏も円谷氏も大反対したとな。

66年の第一代目の「ウルトラマン」が、約50%の視聴率で

大人気だった頃、円谷氏は少年誌のインタビュー受け、

あなたの撮った映画でご自身がもっとも好きなのは?

と聞かれると、氏は「日本誕生」「世界大戦争」「白夫人の

妖恋(はくふじんの ようれん)」ですね、と答えてる。

 なんで、怪獣映画がないんじゃ??

 大映ではあるが、私が、もっとも愛する超A級怪獣映画、

66年の「ガメラ対バルゴン」なんか、実は出演する俳優は

そんな映画出たくない、と嫌がってたらしい。主役の本郷

功次郎氏は、「みんな、イヤだと逃げまわっていたが、自分

が、とうとう捕まってしまった。」と述懐してたとな。

 どーして、みんな怪獣をきらうんじゃ!??

 

 まあ、以上、私がクドクド書いてきたことは、ホンの

感傷的な意見で、どーでもいいことである。

 製作者ご本人たちが、いくら毛嫌いしてても、ゴジラ、

ウルトラマン、ガメラ等は世界に誇る映画なのだ。

 人類の偉大なる遺産は、決して計算ずくでは出来ない

のである。

 

 付記、「シン・ゴジラ」も、「さよならジュピター」も、

「首都消失」も、「惑星大戦争」も面白かったぜ!!