皆さんは、上條恒彦氏というシンガーをご存知でしょうか。

71年、「出発(たびだち)の歌 -失われた時を求めてー」が

大ヒットしたひとです。作詞及川恒平氏、作曲小室 等氏です。

 

 続けて72年は、当時人気ドラマ時代劇、木枯らし紋次郎

のテーマ曲「誰かが風の中で」、もヒットしました。

 

 当時、就学生だった僕は、歌謡曲とかフォークとか

関心ありませんでした。

 

 しかし、僕が高校二年の時、父が僕にプレゼントしよ

うと、上條氏のカセット・ベスト集買ってきました。

僕は、ああ、出発の歌唄ったひとねー、と思いました。

 

 しかし、僕は本カセット何気なく聴いて上條さんに

ハマりました。当時僕はレコードは今ヒットしてる

歌のシングルを散発的に買うだけで、しかもB面はハナ

から軽蔑して聞きませんでした。アルバムなんて概念の外

でした。歌手というのは持ち唄のヒット曲一曲だけでなく

それ以外にも知らない名曲いっぱい歌ってんだなー、と

気付いたのが、この頃でした。それ以前は僕は森 進一

だの荒井由実だの、家族がLP貸りて、うちで聞いて

知らない曲が掛かると、「オレ、こんな難しい歌{?}

分からない」、なんて言ってましたね。

 

斯くして僕は上條氏の

LPレコ当時既に出てたのを、立て続けに4~5枚買った

のでした。高く渋いヴォーカル。サングラスかけ、髪の毛

髭ボウボウのルックス。二〇歳前後は氏のレコ、毎日

繰り返し聴いてたっけ。

 しかし、残念ながら上條氏の唄は、フォーク、ニュー

ミュージックの波に乗れず、あとは低迷してゆきました・・。

80年代に入ってから、氏は新曲もさっぱり出しませんでした。

氏は平成に入ってからは、もっぱら宮崎 駿氏の映画に

声優出演してました。

 

 僕は、自他共に認める音楽オタクですが、ぼくに

そのきっかけを与えてくれたのは上條氏です。

 

 平成15年、宮崎 駿氏が「日本の新しい歌」と

いうのを企画し、各著名なアーチストに楽曲を

オーダーし、集まった歌を全編上條氏が唄い、

CDアルバムが完成し販売なりました。

上條氏、実に久々のオリジナル・アルバム、リリース

でした。待望の新曲ってとこですが・・

 しかし、その頃になると、僕の考えも変わり、歌・上條氏

であろうと僕はもはや新鮮味を感じませんでした。でも買った。

だけど、本アルバムはきらいではありません。

「油屋」、なんて映画の千と千尋の神隠しの挿入歌

だそうですが、ノレる唄なので僕はカラオケでも歌って

ます。、他にも傑作何曲かあります。