僕は、今年に入ってから、東宝名作DVDシリーズに

割りとハマっております。

 僕が、最近もっとも良かったのが、昭和38年封切り

だったと云う「大盗賊」でありました。特撮時代劇であ

ります。谷口千吉氏というひとの監督。脚本が関沢

新一さんと木村 武氏の共同執筆。60年代ゴジラ映画

がリアルタイムの頃、交代で書いてたなァ。

 

 主人公、助佐(役・三船敏郎氏)が船が海賊に襲われ

漂流した島の町は、政治をしている城に謀反を企んで

いる者がおり、(宰相。役、中丸忠雄氏)とにかく島の者

に残虐、愚劣なことを散々やっている。そこを助佐と

山賊たちが協力して、わるい為政者を退治に乗り出す

単じゅんな勧善懲悪物なんですけどね。

 

 キャストが僕にとっては豪華!東宝怪獣映画のレギュラー

陣いっぱい出てる。城の姫役に浜 美枝さん。王様役に

志村 喬氏(出番あんまりなかったけど)。仙人役に

有島一郎氏(老け役ですね)。謀反人の秘密顧問{?}の

妖婆役に天本英世氏{声だけ女性がアフレコしてる}。

 山賊女ボス、美輪役に水野久美さん。配下役の一人に

二瓶正也さんがいました(イデ隊員ですね!)。

 それと、城のボディガードに20代くらいで、身長2m位

はある大男いたです。金栄珠(きん えいしゅ)氏という

人だそうで、レスラーだったらしいですが、腰を痛めて

おり、すぐ引退したト。(はなし、ちょっとそらして、他にも

黒沢監督の「用心棒」にも羅生門綱五郎氏というレスラー

が俳優で出てましたけど、当時は馬場さん以外にも

長身レスラーはいっぱいいたんだなー)

 

 本編の特撮シーンは、船が嵐に襲われるとか、

妖婆の超能力で人が青く変色して蝋化するとか、

クライマックスの場面で妖婆が仙人と対決し、

彼女{?}が両目から青い蝋化光線発射し、仙人が

それを手鏡で逆反射させてくだんが蝋になり果てて

しまう。それをボディガードが軽々と持ち上げ城の

三階から窓下へ放り投げ、あわれわるいやつは

石膏みたいに粉々・・。

 当時の特撮は今見るとオモチャみたいだけど、

僕は、こういうヌルい特撮のほうが良いのです。

(決して円谷氏とかを揶揄ってるとかでないです。)

 

 物語は城内戦で、最後は悪玉のボス・宰相は

橋の下敷きになって圧死。あれだけ酷いやつです

から、これくらいの惨死は当然ですな。

 

 島に平和に戻って助佐は城の姫の結婚も

蹴って、船で島を去り、映画は終わり。

 

 僕が、本編で何よりも印象に残ったのが、

山賊女・美輪役の水野久美さんですな。

姉御肌キャラ、すごくかっこ良く美しかった。

このかたは、66年「怪獣大戦争」の地球侵略

宇宙人X星人のスパイ、秘書役がもっとも

著名だと思うけど、ぼくはこのかたの美貌を

再確認した。 美輪は助佐が本当に好きだっ

たのだろう。助佐が島を離れる時、彼女は

着替えてひとりで岸の処で彼を「食い逃げ野郎~

食い逃げ野郎~ (さよなら)」と見送る。

彼女は泣き出しそうだった 可愛かった

 

 えー、本作封切りの3年後に、「奇巌城の

冒険」ってあるそうで、大盗賊パート2と

言ってもいいそうで、スタッフもキャストも

殆んど同じ内容だそうで是非見ようと思った

のですが、肝心の水野久美さんが出て

おりません。音楽が伊福部氏ですが

見ようかどうしようかなー。