がんに伴う体の痛みは鎮痛薬を適切に使用することで治す事ができます。

痛みを和らげるために必要な量は、痛みの原因、強さ、鎮痛薬に対する反応の個人差によって違います。そのため、それぞれの患者様にとって十分に痛みを止める量を、効果を確認しながら、痛みにより生活の影響がなくなる量まで調節します。

強い痛みがあるために検査、治療が受けられない事もあります。
早いうちに相談して、十分な痛みの治療を受けられるようにする事が大切です。

がんの痛みの治療法はWHO方式がん疼痛治療法と呼ばれ、世界的に最も効果的で安全な治療法とされています。
この方法では痛みの強さに従い、段階的に鎮痛薬を使用します。
強い痛みにはモルヒネなどの医療用麻薬を使用します。

モルヒネなどの医療用麻薬に対し、「中毒」「最後の手段」などといった誤ったイメージを持っている方がいます。
世界における20年以上の経験から、がんによる痛みの治療は医療用麻薬が最も効果的で誤解されるような副作用はありません。
医療用麻薬は痛みがある状態で使用すると麻薬中毒にならない事がわかっています。

医療用麻薬の副作用は吐き気、嘔吐、眠気、便秘などがあります。多くの副作用は予防や治療ができるので、安心して服用する事ができます。

痛みを長い間我慢すると、夜眠れなくなったり、食欲がなくなったり、体の動きが制限され、気分がふさぎがちになり、生活に影響を及ぼします。

がんの痛みは軽いうちに治療を開始すれば、短期間に鎮痛が得られるのがほとんどです。
そのため、自分の痛みの状態を早めに医師、看護師、薬剤師などに伝える事が大切です。

痛みの状態は患者様本人にしかわかりませんので、具体的な表現をする事が大切です。

「いつから」「どこが」「どのような時に」「どんなふうに」「どのくらい」痛むかを、言葉で表現する事が大切です。
痛みの情報はメモを作成し、医師などに見せるとよいでしょう。

また痛みが影響している日常生活を伝えておくと、治療の目標がより明確になります。

痛み伝えるツールのひとつでフェイススケールがあります。

現在の痛みの状態を顔の症状で伝えます。





痛みの治療の情報は受診中の医療機関で尋ねるか、地域のがん診療連携拠点病院の「相談支援センター」でも入手できます。

また、国立がん研究センター がん情報サービス で検索して調べることもできます。

 

 

 

  

 

 

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