膵臓がんの治療では手術でがんを切除出来る場合、手術の実施が推奨されています。

手術が出来るかどうかは、CT検査などの所見を総合し、「切除可能性分類」に従い、
肝臓、肺などに転移がないか、大きな血管にがんが広がっていないか、など3つに分類されます。

・切除可能
・切除可能境界
・切除不能


切除可能境界は、遠隔転移はないものの、がんが主要な血管に広がっているものを指します。
がんが上腸間膜動脈、腹腔動脈、総肝動脈まで広がっているか、門

脈系への湿潤にとどまっているかによりさらに細分されます。


いずれも標準的手術のみではがんが組織学的に残存する可能性が高いとされ、個別の状況に応じた治療法が検討されます。

手術の方法は、がんの場所、広がりなどを考え、4つの方法が選ば

れます。



1膵頭十二指腸切除術

膵頭部にがんがある場合、十二指腸、胆管、胆のうを含めて膵頭部を切除します。
がんが胃の近くにある場合、胃の一部、血管にがんが広がっている疑いがある場合、
血管の一部も切除します。
切除後は残った膵臓を小腸に縫い合わせ、膵液が小腸に流れるようにします。
同様に、胆管と小腸、胃と小腸をつなぎあわせます。
消化器外科の領域では大きな手術になり、術後の合併症の頻度も高いです。

2尾側膵切除術

膵体尾部のがんの場合、膵臓の体部と尾部を切除します。
脾臓も摘出する場合があります。

3膵全摘術

がんが膵臓全体に及ぶ場合、膵臓を全て摘出します。
手術後、膵臓の機能(消化酵素分泌、インスリンによる血糖コントロールなど)が失われ、代謝や消火などに障害が生じるため、切除による治癒が期待できない場合は実施しません。

4バイパス手術

がんの切除が出来ない場合で十二指腸ががんでふさがっている場合には、食事がとれるように胃と小腸をつなぐバイパス手術を行うことがあります。
また、胆管ががんで塞がり黄疸が出ている場合、胆管と小腸をつなぐバイパス手術を行うことがあります。
根治は期待できないが、体の負荷が少なく、早期に化学療法など次

の治療に移行できます。


 

 

 

 

 

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