胃がんの治療は病期(ステージ)により決まります。


胃がんの臨床時期と治療



手術(外科治療)


胃がんでは手術が最も有効です。
胃の切除と同時に周辺のリンパ節を取り除きます(リンパ節郭清)。
胃の切除の範囲は、がんのある場所、病期から決まります。
また、胃の切除範囲によっては食べ物の通る道を作ります(消化管再建)。

腹腔鏡下胃切除


腹腔鏡手術は腹部に小さい穴を数か所あけて、専用のカメラや器具で手術を行います。
通常の回復手術に比べ、体の負担が少なく、手術後の回復が早い事が特徴で、手術件数は増加しております。



内視鏡治療


病変が浅く、リンパ節転移の可能性が非常に低い時は内視鏡を用いて胃がんを切除する方法があります。

最近はは一緒とみなす事があります。


化学療法


胃がんの化学療法には、手術と組み合わせて行う補助化学療法と手術による治療が難しい状況で延命や症状コントロール目的で行われる化学療法があります。


再発予防のために手術後、微小ながんに対して行われる術後補助化学療法の対象はⅡ期、Ⅲ期(T1およびリンパ節郭清のないT3を除く)であり、標準治療はSー1という抗がん剤を内服します。


化学療法は

フルオロピリミジン系薬剤

【フルオロウラシル(5-FU)、Sー1、カペシタピンなど】


プラチナ系薬剤

(シスプラチン、オキサリプラチン)


タキサン系薬剤

(パクリタキセル、ドタキセル)


塩酸イリノテカン等の抗がん剤が単独、

または併用で使用されます。

また胃がんの10~20%ではHER2(ハーツ)と呼ばれるタンパク質の増殖に関与しています。


HER2検査が陽性の場合、分子標的薬の

トラスツズマブを併用した化学療法が行われます。

Ⅳ期の胃がんに対する治療


Ⅳ期の胃がんは遠隔転移を伴っており、

がんを全て取り除く手術は難しいため、

化学療法が中心になります。

補足
抗がん剤の副作用
抗がん剤はがん細胞だけではなく、正常な細胞にも影響します。
特に髪の毛、口や消化管の粘膜、血球を作る骨髄等、新陳代謝が盛んな細胞が影響を受けます。

そのため、脱毛、口内炎、下痢、白血球・血小板減少、全身のだるさ、吐き気、手足の腫れ、しびれ、動悸、不整脈、肝障害、腎障害等が出る事があります。
副作用が激しい場合、治療薬の変更、中止、中断等を行う場合があります。