胃がんは胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が何らかの原因でがん細胞になり、増殖を繰り返すがんです。

補足:胃・胃壁の構造

胃がん検診で見つかる大きさになるまでには、何年もかかると言われています。
大きくなるとがん細胞は胃の壁の中に入り込み、外側にある漿膜(しょうまく)やさらにその外側まで広がります。がんがこのように広がることを浸潤(しんじゅん)と言います。

がん細胞はリンパ液や血液の流れに乗り、他の場所に移動して増殖する事があります。これを転移といいます。

最も多い胃がんの転移はリンパ節転移で、リンパ液の流れの関所のような「リンパ節」で増殖します。

補足:リンパ節の場所


これは早期のがんでも起こる事があります。
また、進行がんの一部では、お腹の中の腹膜、肝臓等にも転移がみられます。

特殊な胃がんとして胃壁の中で広がり、粘膜の表面には表れないスキルス胃がんがあります。
早期の発見が難しく、進行して見つかる事が多く、治療が難しい胃がんです。

胃がんは進行状況に関わらず全く症状がない場合があります。
逆に早期から胸焼け、胃痛、黒い便等がみられることもあります。
これらの症状は胃潰瘍、胃炎等にもみられる症状で区別がつかないので注意が必要です。
そのため、早期発見のために定期的に検診を受ける症状が続くときは早めに受診する事が大切です。

胃がんは治りやすいがんの1つです。
治療方針は胃がんの大きさ、広がり等により細かく決められていますが、
進行した状況で発見された場合、治療が難しい場合があります。

胃がんの罹患率(りかんりつ)は40歳代後半から高くなります。
以前に比べると胃がんで亡くなる人は減ってきています。