健康サポート薬局とは
「かかりつけ薬局」の機能に、国民の健康増
進を支援する機能(病気の予防、要指導医薬品等を適切に供給、健康相談、受診推奨、関係機関紹介等)をプラスした薬局のことです。

薬局の業務体制や設備について一定の基準を満たす薬局は「健康サポート薬局」の表示を行うことができます。

健康サポート薬局の届出を検討されている方は、まず制度創設の背景や理念、健康サポート薬局に求められる業務とその意義について理解を深める事が大切である。

薬局の業務体制や設備について一定の基準(厚生労働省告示)に適合する薬局が、都道府県知事等に届出(平成28年10月1日以降)を行うことにより「健康サポート薬局」である旨の表示ができる制度です。

健康サポート薬局である旨を表示する場合は、基準に適合させることが薬局開設者の遵守事項とされ、健康サポート薬局である旨の表示の有無は、薬局開設許可申請書の記載事項になっています。基準を満たさなくなる場合には変更届が必要です。

また、健康サポート薬局の表示の有無は、薬局機能情報提供制度にて薬局開設者が都道府県知事に報告を行わなければならない事項となっています。

薬事関係法令上「かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能に加え、国民による主体的な健康の保持増進を積極的に支援する(健康サポート)機能を備えた薬局」と規定されています。

健康サポート薬局の理念やあるべき姿については、平成27年6月に設置された「健康情報拠点薬局(仮称) のあり方に関する検討会」において議論され「健康サポート薬局のあり方について」報告書(平成27年9月)として取りまとめられています。

また、健康サポート薬局に必要な「かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能」及び「国民による主体的な健康の保持増進を積極的に支援する機能(健康サポート機能)」については、制度の施行通知に詳細に示されています。

健康サポート機能を有する薬局は、かかりつけ薬剤師・薬局の基本的機能を備える必要がある。すなわち、かかりつけ薬剤師のいる薬局でなければならない。

 かかりつけ薬剤師・薬局が備えるべき機能の詳細については、引き続き「患者の ための薬局ビジョン」等において検討が必要であるが、特に以下の3つが重要

① 
服薬情報の一元的な把握  とそれに基づく薬学的管理・指導 

 24時間対応、在宅対応 

③ 
かかりつけ医を始めとした医療機関等との連携強化

  ① の詳細

患者がかかりつけ薬剤師を持つためには、かかりつけ薬剤師が対応する仕組みが構築されているとともに、勤務表の提示などによりかかりつけ薬剤師がいつ薬局にいるか分かるなどの薬局の業務運営体制が整備されていること。

服薬情報の一元的な把握のために、患者がかかっている全ての医療機関を把握し、服薬情報等を適切に記録すること。

相談しやすい関係の中で、受診時の医師とのやりとりや今までの副作用の発現状況や生活習慣などの患者情報を継続的に把握し、患者の状態の変化 に留意しながら、薬学的知識を用いて処方内容を確認し、懇切丁寧な服薬指導 や副作用等のフォローアップについても取り組むこと。

 
残薬管理を実施し、飲み残しのなく、確実な服用につながるよう指導していること。

お薬手帳については、患者が服用中の医薬品に関する理解を深めることができる、患者が服用後の状態などを記入することでコミュニケーションのツールとして副作用等の把握等に活用できる、他の医療機関等が服用中の医薬品を把 握できるといった意義があるため、その活用を促すこと。

また、お薬手帳を複数持つと、これらの意義を果たすことができなくなるため、患者の意向を確認した上で、お薬手帳の一冊化、集約化に努める必要があること。

電子版お薬手帳は、患者の属性や希望に応じ、紙と同様にその活用を促すことが重要である。普及に当たり、一つのお薬手帳で過去の服用歴を一覧できること、個人情報の保護に十分留意すること、異なるシステム下でも医薬関係者で情報が共有化できること、医療情報ネットワークの普及を見据えてフォーマ ットを統一することなどの検討が必要であること。

例外的に自局以外をかかりつけ薬局としている患者に対し薬剤を交付することになった場合には、患者の意向を確認した上で、かかりつけ薬剤師・薬局 による服薬情報の一元的・継続的な把握とそれに基づく薬学的管理・指導の実施に協力すること。

患者がかかりつけ薬剤師・薬局を持つようにするためには、薬剤師が 調剤や医薬品供給等を行う際の基本的な役割(薬歴管理、疑義照会、服薬指導、 残薬管理等)の周知に加えて、少なくとも初回来局時には、かかりつけ薬剤師・ 薬局を持つことのメリットを伝えること。

さらに、患者がかかりつけ薬局として選択した薬局では、次回、処方箋を受けた際などにも当該薬局を利用するように伝えること。

※ 患者様の具体的なメリット
・ 患者の服用歴や現在服用中の全ての薬剤に関する情報等を一元的・継続的 に把握し、複数診療科を受診した場合でも、多剤・重複投薬等や相互作用が防止される。 薬の副作用や期待される効果の継続的な確認を受けられる。

・ 在宅で療養する場合も、行き届いた薬学的管理及び指導が受けられる。

・ 過去の服薬情報等が分かる薬剤師が相談に乗ってくれる。また、薬について不安なことが出てきた場合は、いつでも電話等で相談できる。

・ 丁寧な説明により、薬への理解が深まり、飲み忘れ、飲み残しが防止される。これにより、残薬が解消される。