下肢静脈瘤は、下肢の表在静脈がふくれてコブのような症状になる。『すばこ』と言う地域もある。日本人の10%が発症すると言われている。自然に治る事はない。

■原因

脚から心臓へ押し上げる血液の流れが逆流して静脈内に戻ってしまうことが原因である。血液はふくらはぎの収縮によって押し上げられるがこの筋肉のポンプ機能が落ちたり、血液の逆流を防ぐ弁である静脈弁が完全に閉まらない状態になり、逆流を防ぎ切れなくなることで、血液が皮下の静脈内にたまり、たまった血液によって血管が膨らんだり、伸びて曲がり変形した状態になる。
立ち仕事が多い人がなりやすく、遺伝性もあり。

■症状

基本、無症状であるが、下肢の緊満感、圧迫感、疼痛、知覚過敏、だるさ、むくみ、こむら返り生じることがあり、重症になると湿疹、出血、皮膚が破ける等が生じる

■診断
身体診察が主である

■治療
治療法は、圧迫、創傷ケア、硬化療法、手術などがある。

圧迫ストッキング


 

 

 

 

低侵襲治療(例:硬化療法)、手術

治療は症状の軽減、下肢の外観の改善、合併症の予防が目的である。

治療法としては,圧迫ストッキングの着用や必要に応じた局所の創傷ケアなどがある。

低侵襲治療(硬化療法など)および外科手術は,静脈瘤血栓症の再発予防および皮膚の変化に対して適応され、また審美上の理由でもよく用いられる。

硬化療法は、刺激性薬剤(例:テトラデシル硫酸ナトリウム)を用いて血栓性静脈炎の反応を誘導し、これにより線維化を引き起こして静脈を閉塞させるが、多くの下肢静脈瘤は再疎通する。

手術では大伏在静脈および小伏在静脈の結紮または静脈抜去(ストリッピング)を行う。

これらの手技により短期的には顕著な症状軽減が得られるが,長期的な効力は低く再発する事が多い。

レーザーによる熱焼灼あるいは高周波アブレーションは,下肢静脈瘤に対する別の低侵襲治療である。