■肛門のかゆみの原因

肛門のかゆみの最も一般的な原因は以下のものです。

  • 不明(大多数)

  • 衛生状態に関連するもの

ほとんどの場合、肛門のかゆみの原因として特定の病気は特定されず、治療しなくても時間が経過するとかゆみは消えます。

その他の肛門のかゆみの原因の多くは衛生問題によるものです。

蟯虫(ぎょうちゅう)や真菌感染症などの特定の病気( 肛門のかゆみの原因)が原因になるケースは、ごくわずかです。

具体的な原因のうち、炎症性腸疾患肛門周囲の皮膚のがんなど、まれなものだけが重篤と考えられていれます。

極端な衛生状態が、肛門のかゆみにつながる可能性があります。例えば、十分清潔にしていない場合、刺激感を生じる便や汗の残留物が肛門の皮膚に残ります。

それより多いのは衛生ウェットティッシュや強力な石けんによって、過度に力を入れて洗浄することで、皮膚の乾燥や刺激感、またはときにアレルギー反応を引き起こすことがあります。

痔核があると、排便後に完全に洗浄することが困難になる可能性があります。一部の痔核では粘液が出たり、便が漏れたりすることがあり、どちらの場合もかゆみが生じます。

幼児と高齢者では、排尿や排便のコントロールに問題が出ることがあります(それぞれ尿失禁便失禁便失禁と呼ばれます)。これらの症状は、皮膚の感染症や肛門のかゆみにつながる刺激感を引き起こすことがあります。

肛門にかゆみが現れ始めると、掻くことでさらにかゆみが引き起こされる、かゆい、掻く、かゆいと続く悪循環が始まることがあります。

多くの場合、皮膚に擦り傷が開くほどかゆみのある部分を掻いたり擦ったりします。擦り傷はときに刺激感を引き起こし、さらにかゆみが増すこともあります。また、かゆみに対して使用した軟膏や他の治療薬に対してアレルギーを起こすこともあります。


■肛門のかゆみの治療

  • 原因の治療

  • 衛生管理と症状の緩和

肛門のかゆみに対して、原因になっている基礎疾患を治療するのが最善の方法です。例えば、寄生虫感染症(蟯虫など)に対しては薬を服用し、真菌感染症(カンジダ Candidaなど)に対してはクリームを塗布します。

刺激性の食べものをしばらく食事から除去したり摂取するのを避けたりして、かゆみが軽減するかどうか確認することがあります。可能であれば、抗菌薬の使用を中止したり、種類を変更します。

衛生管理と症状の緩和

適切な衛生管理が重要です。排便後、脱脂綿や添加物のない柔らかいティッシュペーパーを温水または痔のために特別につくられた市販の洗浄剤で湿らせて、肛門部をきれいにふくようにします。

石けんやウェットティッシュは避けます。

コルチコステロイド軟膏(1%ヒドロコルチゾンなど)は、しばしば症状の緩和に役立ちます。