■シミとは
シミとは皮膚内で作られるメラニンという色素が沈着したものの総称です。シミには大きくわけて4種類あります。
老人性色素斑

日光黒子ともいい、老人性色素斑とも呼ばれます。多くの人が考えるシミはこの日光黒子が当てはまります。
淡褐色~濃褐色のシミができ、主に20歳から30歳の間にでき初め、年齢を重ねるごとに増えます。
そばかす
雀卵斑といい、そばかすのことです。
茶褐色の1つ数ミリ程度の小さな斑点がまばらにできるもので、主に頬のあたりに多く見られます。主に3歳以上からできるといわれ、思春期にピークを迎えます。欧米人に多く見られるシミですが、日本でも特に色白の方に多く見受けられるシミです。
頬骨のあたりに沿って左右対称にできるしみです。女性特有のシミともいわれており、30歳から40歳位の方に特に多く見られ、高齢者ではほとんど見られません。最近はマスク使用によるこすれで出来る事が増えている。大きめのマスクにする等、対策が必要である。
肌の炎症を起こした後にできるしみです。年齢や世代を問わずにできるシミですが、時間の経過とともに徐々に薄くなっていくことが特徴です。
また、まれにこのシミが皮膚がんなど命にかかわる病気であることもあります。ただのシミと楽観視せず、徐々に大きくなってきている、大きさや形が普通のシミとは異なる、色が濃いなど普通のシミと異なると感じた場合にはすぐに医療機関を受診して下さい。
■シミができるメカニズム、黒色メラニンの働きとは?
シミがどうしてできるのか?
皮膚の表面はケラチノサイト(表皮細胞)とメラノサイト(色素細胞)などから成り立っています。紫外線を浴びることで、酵素が活発となりメラノサイト内でメラニンが形成されます。このメラニンがシミの元となります。また、メラニンはしみの元となるだけでなく、肌の細胞を紫外線から守る役割も果たしています。そのため紫外線を浴びれば浴びるほど黒色メラニンが増えていきます。
ですがメラニンはでき続けるわけではありません。肌は常にターンオーバーを繰り返しており、約1ヶ月で新しい肌が作られます。ですので、黒色メラニンを発生させないこと、ターンオーバーを促進することがシミを予防、改善する対策です。
そのため、美白成分の配合されている化粧品を使用したり、ターンオーバーが促進されるようなスキンケアを心がける対策も効果があります。確実にシミを治したいという方は皮膚科の受診がおすすめです
■シミの治療
シミ治療を本格的にやりたいという方は、市販薬を使うよりも皮膚科で治療を受ける方が効率よくお勧めです。
シミやそばかす、肝斑を消すためのケアは、自宅で始められるものから医療機関でできるものまで様々な種類があります。
内服薬
シミの治療で良く用いられる治療法が内服薬です。内服薬単独での治療のほか、他の治療と組み合わせて内服薬での治療を行うこともあります。皮膚科で処方される内服薬はシナール、トラネキサム酸、ユベラ、ハイチオール、UVシールドなどです。
シナール
シナールはビタミンCとパントテン酸を配合したビタミン複合剤です。メラニン色素の形成を抑えてくれる効果があり、シミやそばかすのケアに使用できます。妊娠中や授乳中、消耗性疾患などビタミンCが消耗しやすい方の補給を目的として作られたお薬ですので、安全性が高いです。
トラネキサム酸
特に肝斑に対しての効果があり、肝斑の治療薬として最も多く使われているお薬です。シミの元となるメラニンを生成する細胞メラノサイトの活性化を抑制をする効果があり、シミをできにくくしてくれます。
また、ニキビなど皮膚に炎症が起こった後に色素沈着をしてできてしまったシミに対しても、メラノサイトの活性化を抑制することで、シミを薄くし、美白効果も期待できます。
ユベラ
ユベラとはビタミンEを配合しているお薬で、肌の代謝を良くしてターンオーバーを促進したり、シミを薄くしたり、抗酸化作用が期待できます。幅広い世代の方にお使いいただけます。
ハイチオール
L-システインを有効成分としているお薬で、パントテン酸など代謝に欠かせない成分も配合しています。湿疹、ニキビ、蕁麻疹などさまざまな肌トラブルの治療に用いられるお薬ですが、シミに対してはメラニン色素の抑制し、シミを薄くする効果が期待できます。
UVシールド
UVシールドは飲む日焼け止めのことです。日焼け止めですが、塗る日焼け止めのように日焼けを予防する効果だけでなく、日焼け後の肌に対しても効果があります。
薬品ではなくサプリメントという扱いになるため副作用がほとんどなく安全性が高いことも特徴です。
ゼオスキン(ZO SKIN)
一人一人の肌の状態に合わせて、洗顔から保湿までの商品をカスタマイズできるというもので、スキンケアに「ハイドロキノン」と「トレチノイン」を取り込むことを最大の特徴としています。これによって肌質を根本から改善し、乳幼児のような健康で美しい肌を目指します。
ゼオスキンは市販での取り扱いがなく、医療機関向けの商品となります。専門の医師、看護師等に自分の肌質を診察してもらったうえで、ぴったりのスキンケア商品を選んでもらえます。
フォトフェイシャル(m-22)
光治療と呼ばれる治療法で、広範囲の光を照射することで、シミ・くすみ・赤ら顔・毛穴・キメなど多くの肌トラブルを同時に改善させる効果が期待できる治療です。
広範囲の波長の光を照射することが特徴で、1回の照射でシミやそばかすの原因であるメラニンや、ニキビ跡・赤ら顔の原因の色素などに幅広くアプローチできます。さらに真皮の線維芽細胞芽細胞を活性化させることでコラーゲン産生を促し、小じわ・毛穴の開き・キメの改善などをもたらします。近年ではレーザー治療と同様に人気の治療法となっています。
レーザー
皮膚に細かくレーザーを当てることでダメージを与え、そのダメージ修復過程を利用してコラーゲン産生を促し、新しい肌を再構築する治療方法です。
細胞内の水と反応することで熱エネルギーが発生し、蒸散、蒸発作用により、ホクロやイボを除去したり、シミやそばかすの原因となるメラニンに作用する効果が期待できます。