近年、薬剤師による処方鑑査の制度をあげ、副作用の回避過量投与の回避
禁忌症例への投与回避、という薬物療法の安全性を確保するため処方せんに検査値を表示する病院が増えている。


■WBC(白血球)

基準値
成人:4000~8000/マイクロL
小児:5000~13000/マイクロL
幼児:5000~18000/マイクロ/L
新生児:9000~30000/マイクロ/L

高い
白血病、肺炎 、扁桃炎、急性虫垂炎
心筋梗塞、アレルギー性皮膚炎

低い
重症敗血症、再生不良性貧血
全身性エリテマトーデス、
抗がん剤投与

白血球は異物や細菌を取り入れ、消化 
分解する作用がある。
炎症性疾患が起こると白血球数は増加する。

■Neut(好中球)

基準値
40~60%

高い
細菌性感染症、白血病、心筋梗塞
外傷、熱傷

低い
再生不良性貧血、急性白血病、
ウイルス感染症、発熱性好中級現象症

白血球が増加、減少した時に検査する

白血球は、顆粒好中球塩基の3種類)、リンパ、単からなる。 白血球ので、好中球は異物の代表である細菌を食べて体を守る役割があります。

発熱性好中球減少症は感染に伴う敗血症性ショックにより数時間で死亡する事があるので注意が必要!!!

好中球減少症

症状
発熱 、悪寒、咽頭痛

起きやすい薬剤
抗癌剤、メトトレキサート、チアマゾール、プロピオチオウラシル、サラゾスルファピリジン等
 
■Hb(ヘモグロビン量)

基準値
男性:13.5~17.5g/dL
女性:11.5~15.0g/dL

高い
真生多血症、
慢性呼吸器疾患等の2次性多血症、
ストレス、脱水

低い
貧血、肝障害、出血

■PLT(血小板)

基準値
15~34×100000/マイクロL

高い
本態性血小板血症
慢性骨髄性白血病
真生多血症
出血、外傷、脾臓摘出後

低い
再生不良性貧血、急性白血病
肝硬変
巨赤芽球性貧血

■CK
(クレアチニンキナーゼ)

基準値
男性:57~197IU/L
女性:32~180IU/L

高い
脳梗塞、脳挫傷、悪性腫瘍
急性心筋梗塞

低い
甲状腺機能亢進症

脳の組織が損傷される疾患、心筋梗塞
筋炎等、急性期を疑う場合測定する。
特に心筋梗塞急性期には重要な検査であ
る。

■AST(GOT)  ALT(GPT)

基準値
AST:10~40IU/L
ALT:5~45IU/L

高い
肝疾患
ウイルス性急性、慢性肝炎
肝硬変
薬物性肝障害
アルコール性肝障害

心疾患
心筋梗塞、心筋炎など

胆道、膵臓疾患
胆石、胆道炎、胆嚢がん
総胆管結石、胆管がん等

筋疾患
多発性筋炎 、筋ジストロフィー

低い
臨床的意義は低い

いずれも数値が3ケタになったら注意!!!!

■ΓGPT

基準値
男性:0~70U/L
女性:0~35U/L

100を越えたら注意!!!!

飲酒・肥満で数値が上がる

■尿酸

基準値
男性:3.4~7.0mg/dl
女性:2.4~7.0mg/dl

■総コレステロール

基準値
120~219mg/dl

■HDLコレステロール

基準値
男性:40~86mg/dl
女性:40~96mg/dl

■LDLコレステロール

基準値
70~139mg/dl

■中性脂肪

基準値
35~149mg/dl

■総ビリルビン

基準値
0.3~1.2㎎/dL

高い
3㎎→皮膚が黄色
10㎎→皮膚が黒色

急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌
胆石症、閉塞性黄疸

■アルブミン

基準値
3.8~5.3g/dL

高い
特になし

低い
肝機能低下
長期の栄養状態が悪い

■血清クレアチニン(SCr)

基準値
男性:0.61~1.04㎎/dL
女性:0.47~0.79㎎/dL

高い
腎機能障害
(糸球体腎炎、間接性腎炎)

尿路閉塞

スポーツ選手等

低い
筋萎縮

主に腎機能の指標

医療期間での検査結果でよく使用される

■eGFR(糸球体ろ過量)

基準値
60.0ml/min以上

高い
特になし

低い
慢性腎臓病

本来、GFRの測定が理想だが、24時間蓄尿等、外来では難しい。そのため、簡単に求められるeGFRを参考にする事が多い。

eGFRは血清クレアチニン(SCR)からクレアチニンクリアランス(CCr)を求め、計算出来る。

■血清カリウム(K)

基準値
3.5~5.0mEq/L

高い
高カリウム血症
(かなり危険で精密検査必要)

カリウム排泄障害右矢印腎不全等

細胞内カリウム流失右矢印熱傷等

ARB、ACE阻害薬を服用している場合、
注意が必要

主な症状
脱力感、口唇のしびれ、不整脈等

低い
低カリウム血症

カリウム摂取障害右矢印栄養不足

カリウム喪失右矢印嘔吐、下痢等

細胞内へのカリウム移行

主な症状
食欲不振、便秘、脱力感、手足の痙攣、
口渇、多尿、動悸、不整脈等

無症状の経過観察の場合、カリウムの多い食品、バナナ、ほうれん草、海藻類等を食べるとよい。

■血清カルシウム

高い
高カルシウム血症
倦怠感、疲労感、食欲不振、イライラ等

低い
低カルシウム血症
背中・下肢の痙攣、脱力感、不整脈、
テタニー(口唇、手足のしびれ 、筋収縮)等
■CRP(C反応性タンパク)

基準値
0.3㎎/dL未満

高い
細菌、ウイルス感染症
関節リウマチ
リウマチ熱
悪性腫瘍、悪性リンパ腫
急性心筋梗塞
手術後
外傷、熱傷等

10㎎/dLを越えると敗血症等、重症感染症を示唆する。

■HbA1c  糖化ヘモグロビン

基準値
4.3~5.8(JDS)
4.6~6.2(NGSP)

高い
糖尿病
異常ヘモグロビン血症
高ビリルビン血症
慢性アルコール中毒症等

3~4ヶ月の平均の血糖値を表す

■PT-INR
ワーファリンコントロール時に使用する検査項目

基準値

70歳未満:2.0~3.0

70歳以上1.6~2.6

高い
ワーファリン内服中、ビタミンK欠乏症
肝不全等

高めの場合、転倒に注意、血便、血尿がみられたらすぐ受診を進める

■D-ダイマー
血栓を溶かす指標

基準値
1.0マイクロg/ml未満

高い
DIC
深部静脈血栓症
悪性腫瘍
肝硬変
手術後
妊娠中 等