裸でいることはあまりにも怖く
身を守るために服を身に着ける。
一枚、二枚と身に着ける。
いつしか、装飾品は増えていく。
それらの装飾品は、いずれかさぶたのように硬くなっていく。
取り外すには、血が求められる。
いつかは空を飛ぶために、強くなろうとしたのに、
自分を守ってくれるそのかさぶたは、
空を飛ぶには重過ぎる。
ならば、翼をより大きなものにさせようと、
天を仰ぎ、請い願う。
願えど願えど、聞き届かれず、
鎧を解くのだ。とさとされる。
ああ、強くなるために求めた数々の装飾品は
いったいなんのためだったのか。
今、飛び立つときに邪魔であるだけならば、
はじめから身につけなどしなければよかった。
そうして、ふと気づく。
自分を着飾ってくれた装飾品は
血を流すために必要だったのだ。
痛々しく滴り落ちる自らの血は、裸の僕を真っ赤に染める。