スタジオ行って比較実験してきました。
実験1:本物 Jan Ray VS 自作 Jan Ray + 6つのオペアンプ
実験2:自作 Jan Ray を使った 真鍮ケース VS アルミケース
ペダルのツマミはすべて12時、Volume / Gain / Treble / Bass すべて5です。
アンプは JC-120、EQ はすべてフラットです。ギターは Ginson TAK DC で、BOSS のルーパーに録音したフレーズを使いました。
- フロントPUのボリュームを絞ったクリーン・アルペジオ
- リアPUのリフ
- リアPUのフレーズ
- フロントPUのフレーズ
以上4つのプレイでサウンドチェックします。
中古クローンも比較したのですが、盛り沢山な内容になってしまったので改めてにします。
まず、"実験1:本物 Jan Ray VS 自作 Jan Ray + 6つのオペアンプ" から。

画像のツマミがバラバラですけど、すべて12時で録音しています。
実際の音の差を録音しきれず、違いがわかりにくい(特にクリーン)ので、ヘッドフォンで適度な音量で聴いてくださいw

LM4558N の場合、アルミケースでも同じトーンを出せてないでしょうか!?

若干自作の方が明るい音なんですが、フロントPUの単音弾きで心地よい倍音まで再現できてると思うんですよ。

敢えて言わせてもらいますが、本物とかわらんものデキちゃいましたよ!







すぐ壊れるかもだけど!



そして "実験2:自作 Jan Ray を使った 真鍮ケース VS アルミケース" です。

いかがでしょうか。

シールド効果の差によるものなのか、微妙に色気が増したような気もしなくもなくもなくもないです。

まったく違いがないわけじゃないけど、アルミでも Jan Ray っぽい倍音は十分あると思いました。

動画ではわかりにくいと思うので、実際の印象をまとめてみます。
HTC LM4558N
Jan Ray の回路図によるとオペアンプは LM4558N とあります。しかし一般の流通は無いようで、台湾などの卸売サイトに取り扱いが見られる程度。どうやら中国製と韓国製があるよう。。
中華チップなら AirExpress にあるかもと行ってみたら、20個$7.70(送料込)でありました。
本物が届くのかも怪しげで正直期待してなかったんですが、アタリでした!
(チップのプリントは LM4558 だけど、納品書にはLM4558Nとあるので一応信頼)
全体の分離感が素晴らしくヌケも良い。ローがタイトでクリアです。特にハイが心地よく、フロントでソロ弾くとめちゃくちゃ気持ち良いです。
JRC4558D
超お馴染み、新日本無線のJRC4558の低ノイズ版です。
チューブスクリーマーに似たコモりを感じます。Jan Rayっぽいトーンは薄くなるけどボリュームやピッキングの追従性は本物同様だし、オーバードライブとしては優秀だと言えると思います。
JRC4558DD
JRC4558D の超低ノイズ版です。でも、どこのノイズが超低くなったのか全くわかりません。

音は JRC4558D とほとんど同じです。
Raytheon RC4558N
4558 を最初に作ったのは Raytheon とのこと。様々なメーカーの 4558 がありますが、仕様はそれぞれだそうです。
マレーシアプリントじゃないけど、今回一番期待していた IC です。
JRC4558D と比べてハイがグっと上がりローも濁りが少ない。本物よりちょっとギラっとする感じでロックに向いてそうです。でもクリーンにすると LM4558 の方が落ち着きがあって一歩負けますねぇ。
Signetics NE5532N 92年製
Signetics のチップは 80年代の音楽録音機材に多く使われていたそうです。
JRC4558D よりはローにまとまりがあって、ファットだけどコモらない、みたいな。
これ、悪くないと思いました。
St Microelectronics TL072CN マレーシア製(中古)
ハイの感じは本物に近く、ヌケの良い TS ってカンジです。
回路図が正しくて、肝となるパーツを揃えれば、素人の自作でも同程度の音が出るもんだと実感しました。
耐久性や信頼性などは長く使わないとわかりませんが、技術力と経験豊富な人が作れば遜色ないものができちゃうんでしょうね。