鉄が人の手に渡って、幾千年。
火と知恵の力で、世界は少しずつ形を変えていきました。
けれど、まだ誰も知らない物語が、ひっそりと続いていました。
とある町工場の片隅で、
長い眠りについていた、ひとつの鉄のかけら。
その上に、ある嵐の夜、雷が落ちました。
ゴロゴロゴロッ——ドン!⚡️
轟音とともに、鉄の中にひとすじの“なにか”が走る。
それは熱でも火でもなく、魂のような、ぬくもり。
……そのとき、「てつやん」は目覚めたのです。
生まれたての彼は、まだ自分がなに者かも知りません。
けれど心の奥に、こんな声が響いていました。
「だれかの役に立ちたい」
てつやんの旅が、ここからはじまります。

