『 シ ン デ レ ラ 』
前回までのお話し 「灰だらけの姫 1」 「灰だらけの姫 2」 「灰だらけの姫 3」
「灰だらけの姫 4」 「灰だらけの姫 5」 「灰だらけの姫 6」 「灰だらけの姫 7」
しかし王子は、どんなに両親が
この場に、灰だらけの姫を、連れて来られないと言っても、
がんとして、ここに連れて来るようにと言って聞きません。
そこで、灰だらけの姫は、
王子の前に呼びだされることになりました。
手足と顔の汚れを綺麗に洗い落とした、灰だらけの姫は、
王子の前に進み出て、お辞儀をしました。
王子は、黄金の靴を渡しました。
灰だらけの姫は、足台の上に腰を下ろすと、
重い木靴をぬぎ、黄金の靴に足を入れました。
それは、本当にぴったりと、
灰だらけの姫の足と合いました。
王子は、立ちあがった、灰だらけの姫の顔を覗き込むと、
それこそ、紛れもない、あの舞踏会の夜に、
一緒に踊った、あの美しい少女、その人でした。
王子は、
『この人こそ、本当の花嫁だ!!』
と、喜びの声をあげました。
継母と2人の姉たちはビックリし、憤慨し、
顔を、青くさせたり、赤くさせたりしました。
しかし王子は、そんな事にはお構いなく、
灰だらけの姫を抱き上げ、馬に乗せると、
2人で一緒に、この家から立ち去って行きました。
2人が、はしばみの若木の所に差し掛かると、
あの2羽の白い小鳩が大声で言いました。
『クック、クック、クック、
靴の中に、血はぜんぜん流れていない。
靴は、小さすぎない。
本当の花嫁を、王子は連れてお帰りだよ!』
そう言い終えると、2羽の小鳩は飛び降りて、
灰だらけの姫の右と左の肩に1羽ずつとまりました。
こうして、白い小鳩は、
いつまでも姫の肩から離れませんでした。
やがて王子の結婚式があげられることになった時、
意地悪な継姉たちは、美しい継妹の元に、
足を引きずりながらも、再びやって来て、
色々とお世辞を並べ立て、
灰だらけの姫の幸福に、あやかろうとしました。
花婿と花嫁が教会に行く時、
上の継姉は右側に、下の継姉は左側で、
足を引きずりながら、付いて来ました。
すると、2羽の白い小鳩が飛んできて、
継姉たちの片目を1つずつ、突き出してしまいました。
いよいよ婚礼の式が進み、
2人が教会から出ようとすると、今度は、
上の継姉は左側に、下の継姉は右側に、
又もや、足を引きずりながら、付き添いました。
するとまた、2羽の小鳩が飛んできて、
継姉たちの、もう一方の目玉を突き出してしまいました。
こうして2人の継姉たちは、
自分たちの意地悪と、嘘つきの罰として、
一生、視力を失わせて、足も悪くして、
暮さねばならなくなりましたとさ。
「灰だらけの姫」 おしまい。
ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。
おしまいっ。