『 シ ン デ レ ラ 』
前回までのお話し 「灰だらけの姫 1」 「灰だらけの姫 2」 「灰だらけの姫 3」
良い豆だけをより分けた、灰だらけの姫は、
又、継母の所へどんぶりを持って行きました。
そして喜んで、今度こそ舞踏会に行けると思いました。
けれども、また、継母は言いました。
『何をしたって、お前には、何の役にも立ちはしないよ!
お前は、一緒に行っちゃ駄目なんだよ!
服も無い、ダンスも出来ないんだからね。
お前が一緒に行くと、
私たちまで、恥をかくことになるんだよ!』
継母は、灰だらけの姫に背を向けると、
大はしゃぎの自分の2人の娘たちを連れ、
いそいそと出かけて行ったのでした。
家に誰も居なくなると、灰だらけの姫は、
母のお墓の、はしばみの木の下に行って
泣きながら、こう言いました。
『はしばみの木さん、
その幹を揺すって、その身体を揺すって、
私に、金と銀をまいておくれ。』
すると、灰だらけの姫の上に、小鳥たちが、
金の糸と銀の糸とで作られた、美しいドレスと、
絹と銀の糸で刺繍された、美しい靴を落としてよこしました。
灰だらけの姫は、大急ぎでその服を着て、
王様のお城の舞踏会に出かけました。
やがて、灰だらけの姫はお城につきました。
お城では、継母や継姉たちが、
今やって来た、灰だらけの姫を見ましたが、
それが自分の家の、灰だらけの姫だとは気付きません。
それほど金の糸で出来た美しいドレスを着た姫は美しく、
どこかの国の王女と見紛う程に、美しかったのです。
3人とも、今頃、灰だらけの姫は、
家で地べたに座りながら、
灰の中から、レンズ豆をより出していると思っていたのです。
王子は、美しい灰だらけの姫を迎えると、
その手を取って、一緒に踊りました。
それからは、他の誰とも踊ろうとはしませんでした。
ずっと灰だらけの姫の手を握ったまま、離そうとしません。
そしてもし他の男の人が、
灰だらけの姫に、踊りを申し込んでくると、王子は、
『この方は、僕の相手です。』
と、言って、断わるのでした。
夕方まで踊った灰だらけの姫は、
もう家へ帰ろうと思いました。
ところが、王子は言いました。
『僕がお供して、家までお送りいたしましょう。』
王子は、この美しい少女が
誰の娘かを知りたいと思ったのです。
やがて家に着いた灰だらけの姫は、
素早く王子から離れると、鳩小屋の中へ飛び込みました。
王子が、しばらくその場で待っていると、
そこへ娘の父がやってきました。
王子は父に、見知らぬ美しい娘が、
鳩小屋の中へ飛び込んだことを話しました。
父は、「きっと灰だらけ姫の事だ」と考えました。
そこで父は、鳩小屋を真っ二つに壊すために、
斧と、つるはしを持ってこさせると、
鳩小屋を壊したのです。
しかし、小屋の中には誰もいませんでした。
~本日は、これにて~
ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。
おしまいっ。