『 シ ン デ レ ラ 』
前回のお話し 「灰だらけの姫 1」
上の継娘はドレスを、
下の継娘は真珠や宝石を欲しがりました。
そこで父は、自分の本当の娘にも、
『ところでお前は、何が欲しいかい?』
と尋ねると、
『お父様、私は、お父様が帰り道で、
最初に帽子に当った小枝を1枝、
折って、持って帰って来ていただきたいです。』
と、答えました。
こうして、父は、二人の継娘たちには、
美しい服と真珠と宝石を買いました。
そして帰り道に、緑の木立の間を馬で通って行くと、
「はしばみ」の小枝が当り、
被っていた帽子が落ちたのです。
そこで父は、その小枝を折って持ち帰りました。
家に着くと、父は3人の娘たちそれぞれに、
望みの品物を渡しました。
灰だらけの姫には、「はしばみ」の小枝をやりました。
すると灰だらけの姫は嬉しそうに、礼を言い、
すぐに母のお墓に行って、その小枝を植え、
そこでさめざめと泣いたのでした。
その涙は落ちて、小枝にかかりました。
すると、あっという間に成長し、立派な木になりました。
灰だらけの姫は、毎日3回ずつお墓に行き、
泣きながらお祈りをしました。
その度に、いつも木の上には、白い小鳥が飛んできて、
灰だらけの姫が望みの物を、言葉に出して言うと、
直ぐにそれを投げ落としてくれるのでした。
当時、その国の王様により、
3日続きのお祝いを催される事になりました。
その催しでは、王子様が花嫁選びをするために、
国中の美しい少女たちが、残らず招かたのです。
灰だらけの姫の、2人の継姉たちも、
その席に招かれたと聞くと、上機嫌になり、
灰だらけの姫を呼んで言いました。
『さあ、私たちの髪を梳いてちょうだい。
靴も、ぴかぴかに磨くのよ。
それから、コルセットのスナップを、
しっかりと付け直しておきなさい。
良い事!
私たちは、王様のお城の舞踏会に招かれたんだからね!』
灰だらけの姫は、姉たちの言いつけに従いました。
しかし、自分も舞踏会に行ってみたくて、泣きました。
そして継母に、一緒に連れて行って欲しいと頼みました。
けれども継母は、
『なんだって?
お前みたいに、埃だらけの汚い娘を、
一緒に、連れて行けるわけがないだろう?
そんな服で、舞踏会に行こうっていうのかい?
まともな着物1枚、綺麗な靴1足、
お前はもっていないじゃないか。
そんな服でダンスをしようっていうのかい?』
と、言いました。
それでも尚も、灰だらけの姫は頼み続けましたので、
継母は、とうとうこう言ったのです。
『それじゃ、私が灰の中に、
どんぶり1杯のレンズ豆をこぼすから、
それをお前が2時間以内に、
良い豆と、駄目な豆をより分けながら、
全部拾い上げたら、連れて行ってやろうとするかね。』
~今日は、これにて~
ここまで読んでくださって、誠にありがとでしたぁ。
おしまいっ。