この記事は、穂吉のブログの「2013-01-06 16:32:41」にUPした『日本の神話236. ~第四部 大和朝廷~  =第二三章 顕宗(けんぞう)天皇=』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話235』




この回も、大君、袁祁(をけのおおきみ)

顕宗天皇(けんぞうてんのう))
様の御世のお話しです。



天皇、袁祁様は、

どうしても許せないことがありました。

それは父君、市辺忍歯(いちのへのおしはのおおきみ)様を

殺害した上に、野に埋めたまま放置した、

2代前の天皇の雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)を、

深く怨み、許されることが出来ずにいたことです。



父の屍を見た時、それは朽ち果て、

舎人のそれと区別がつかぬほどになっておりました。



それを見た衝撃は、とても強く、激しく、

すでに御魂(みたま)となっている雄略天皇に対しても、

報復をせねば気が済まぬ、という状態なほどです。



そこで天皇は、兄上の意祁(おけのみこと)様を

お呼びになり、



『罪の無い父上を、

 謀略をもち殺害した雄略天皇のことが、

 私はどうしても許せぬのです。

 その墓に、家人を遣わして崩した上に、

 私は、雄略天皇の首を刎ねてしまいたい。』



そう、兄の意祁様へ仰ったのです。

すると、兄上は



『いけません。

 その御墓を崩してしまうと云う事を、

 他の者にやらせてはなりません。

 この私自身が参り、

 天皇の仰る通りにして参りましょう。』


 
そうお答えになられたのです。

それで天皇は、



『兄上、ではその言葉通りにお出かけ下さい。』



と、仰せになられ、兄の意祁様は

御陵のある、河内へと向かうのでした。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。
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