仮設住宅と聞いて、皆さんは、何を想像するでしょうか?

最近で言えば、一年延長とか、追い焚きとかでしょうか?はたまた、孤独死、孤立死などでしょうか?それとも、コミュニティーの問題や、立地の問題かもしれません。
まだまだ、想起される事象がある事でしょう。
どちらかというと、悪いイメージが多いと思います。
しかし、少数ですが、『暖かくなった』とか、『友達が増えて楽しい』とおっしゃる方もおります。


今回は、仮設住宅での日常生活について、私たちが関わってきた一例を挙げさせて行きます。

私たち(FTF)では、12月より仮設住宅のバリアアリーな環境を、出来るだけフリーにしようという活動を石巻市と行って参りました。

災害救助法の適応期限である、3月末日までに、石巻市全体でヤクルト7000戸ある仮設住宅を全て調査し、施工まで終わらせなければならないという、とてつもない事業です。
なんせ、現地では土建屋さん、大工屋さんなどは、大忙し、バリアフリーに頼らなくても仕事は沢山ある状況です。
住民の方も、訪問してもその時にいるかどうかも分かりません。
ですが、期限は迫っており、住民の方は待ってくれません。
そのような、状況にもかかわらず、行政の保健師さん、リハビリ関係の皆様は、踏み切りました。
無事に終わるメドがあっての、STARTだったのでしょうか?
私個人では、結果的には、良い対応が出来たと感じています。
しかし、完璧ではありませんでした。
次にない事を祈りますが、今後私が関わる方への課題とさせていただきます。

話は戻り、
そんな中、私達は12月より本格的にこの調査をスタートしました。

請け負った数は、およそ1500戸。
雄勝地区、河北地区、渡波地区の仮設住宅です。

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実はこれ、なだらかな段差で下っています。

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実は、この段差凍っています。はい、滑りました_| ̄|○危ないです!


今回石巻市にきて色んな住民の方にお会いしました。
仮設住宅は、スロープのある所とない所があります。
麻痺のある方、リウマチのある方、視力障害のある方、膝が痛い方、腰痛の方、がんの方、脊柱管狭窄症の方、認知症の方、不眠の方、閉じこもりの方、ペースメーカーの方、歩行補助具を使っている方、作業所に通ってる方、子供から、お年寄りまで、一人の世帯から複数の世帯まで。
商業地に隣接している所もあれば、車で30分位走らないとそこまでいけない所も。

バリアフリーの対応をした、お宅の浴室です。
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ここでは、5つ。
横手すりを2本、シャワーチェアー、滑り止めマットに浴槽に入るための踏み台を1つ。


また、違う家です。
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玄関から外へのアプローチの為の、スロープと、トイレから立ち上がるための手すりです。


今回、石巻市では仮設住宅に入居している方は、介護、障碍のある方は、スロープのあるお宅に入居しているケースが多かったです。
既に、介護保険で対応していた方もおりました。


明らかに障碍のある方よりも、既存のサービスの枠に入らない方の必要性が高かったと感じています。
介護保険を利用する前の段階の方です。
仮設住宅内の動作で特に難しく、不安感を持っている動作は、『浴槽の跨ぎ』だと感じています。
浴槽は、仮設住宅や世帯数によって高さが異なります。
もっとも浴室が狭く、浴槽が高いのが、一人世帯の浴槽です。
身長が130センチ位で、60センチの高さがある方もおりました。

皆さんは、身長の半分の高さがある浴槽を跨げますか?
もし、膝や腰が痛かったらどうでしょう?

また、『浴槽の中の立ち座りの際などの滑り』も、不安な面の一つです。
このような方には、滑り止めのマットなどが必要となります。

これは、石巻市に限らず、また仮設住宅に限らず、全ての方に共通しやすい場所です。
みなさんの、身の回りに同じような方がおりましたら、要注意です。


今回、限られた時間で、ここまでの対応が出来た事は、素晴らしい事だと思います。

阪神大震災、中越沖自身、東日本大震災と、仮設住宅における問題点は、着実に改善してます。
あって欲しくはないが、地震大国の日本、ある事を想定した生活が必要です。

次の災害時に今回の課題を活かさなければなりません。


あなたの家のバリアはありますか?
もし、無いのであれば90歳になったとしたらどうでしょう?
近所を歩いている、危なそうなお祖母さん、お爺さんは、未来のあなたかもしれません。
その状況で、あなたの家の周りはどうですか?


これを機に、身近なバリアを気にしてみませんか?

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