入院当日、嫁と少し早めに家を出た。


病院からすぐ近くのパン屋さんで、二人で朝食を食べた。


だいぶ開き直り落ち着いていた。




受け付けを済ませ、6人部屋に案内され陣取る。

かなりの重症患者が数名いた。



入院前日、嫁はこう言っていた。


「毎日お見舞いに行くよ!最初から最後までずっっと居てやるよ!」


確か記憶ではお見舞い時間は12時から19時じゃなかったか?



初日、まだ来たばかりの日。

部屋に居ても何にもする事無い。

嫁は携帯の電源を切ってなく、14時頃電話が入った。



「夕方から呑みに行かな~い?」



仲間からの誘いだった。
毎日フルで居ると宣言した翌日だった。つまり入院初日だ。



「ちょうど良かった!旦那がさぁ入院しちゃって暇だったのよ~。行く行く!何処で?」



「・・・・・。」



前日フルで居ると宣言した翌日の初日に、2時間位で帰ってしまった・・・・・( ̄▽ ̄;)。





2日目。

家から複数冊、本を持って来てもらった。

厚過ぎて読めていなかった「大山倍達正伝」と様々な解剖学やらの専門書、さらに再販されたばかりの自転車の本「スペシャルメイドサイクル」を買ってきてもらい、「ルネエルス特集」や「トーエイ特集」等々は翌日持って来てもらった。

まだ外出はオッケーだった。嫁到着後、近くのコンビニまで買い出しだ。

夕方、潤に成田に上原が来てくれた。

部屋の外の休憩所でうるさく大爆笑しながら会話し、本当に楽しかった。



成田が言った。

「あれ、大長。緊張してないの?」

「全く緊張してないな。」


開き直っていて、腫瘍の事も、翌日の手術の事も、何故か全く気にならなかった。全くの普段通りであった。


夜は入院中、最初で最後の風呂だった。



入院前日、メールをくれたフロントチーフの女性からも毎日メールが来た。それは入院中毎日だった。嫁以外で一番心配してくれた。
本当に有難かった。






手術当日、嫁と母と義母が来てくれた。

手術室に向かう移動式ベッドに乗り、ベッドに寝た状態で廊下に居た嫁、母、義母と言葉を交わし、エレベーターで手術室へ。



天井の円形のライトは

「おぉ~っ、テレビと一緒だぜ。」と心で思った。



手術台のベッドに移動し、いろいろベルト等で押さえつけられる。

心拍数が判る状態になる。


「ピッ、 ピッ、 ピッ、 ピッ・・・・・」

首を起こし心拍数を見ると70台。


「うん、緊張ゼロ。平常心だ。」

内心、緊張してない自分に安心する。

準備するナース達と楽しい語らい。そうこうしている内に執刀医登場。



「大長さん、こんにちは。宜しくお願いします。」

「こ、こんにちは。宜しくお願いします。」
「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ・・・・・」



急に心拍数が速くなり出した。(たぶん180拍位?(笑))


「大長さん、緊張してるね~。」


執刀医におちょくられた(ToT)。

クッソーッ。さっきまで平常心だったのに!動揺している事が全員にバレバレだった( ̄▽ ̄;)。
かっこ悪っ(T_T)。



目隠しされた。

「ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ・・・・・」

尚の事速くなった( ̄▽ ̄;)。(たぶん200位(;´д`))



局所麻酔を射たれた。

局所麻酔だから全て状況は聞こえる。


なんやかんやヤられてる。




執刀医が言った。「んぢゃそろそろいこうか!メス!」




「ピピピピピピピピピピピピピピピ・・・・・」




220プラス年齢を軽く上回るスピードだった( ̄▽ ̄;)(ToT)。



何を喋っているか良くは解らなかったが、骨が摘出されている様だった。

腫瘍と思われるものは全て摘出。良性か悪性か判断する為に、検査に回す様だ。


2時間位のオペを終え、移動式ベッドで部屋に戻った。

鏡を見たらものゴッツイ顔が腫れていた!マンガの様だった。

嫁、母、義母はあまりの腫れ方に驚いていて、みんな大爆笑だった。チッ。



食事は満足に食べられない。

鼻をかむと、息が口に漏れてかめない。

口をゆすぐと、水が鼻に入ってきて、上手くゆすげない。


けっこう大変だった。



麻酔が切れてからは痛くて痛くて、特に夜は眠れなかった。



パーソナルトレーニングとしんそう療方の大長道場。