アメリカから帰国して直ぐ、

パーソナルトレーナーの大家S先生の門を叩いた。

埼玉のとある駅からかなり歩き,そのスポーツクラブに向かった。

S先生はパーソナルトレーナー兼チーフトレーナーの様な立場で、経営者では無かった。

かの有名な偉大なるS先生がこんな田舎(失礼)で・・・。

少し驚いた。


初めてお逢いした時、自己紹介して直ぐ

「エアロ?」

と聞かれた。


つまり、あまりに貧弱でボディビルに見えなかったのだ。

かなりショックだった。


しかし、先生が何をどう進めていくのか分からずオロオロしていた。

僕の体型を見て、いろいろ性格や仕草を言い当てられた。

まぁ7割位は当たっていたと思う。




最初の日は



重心位置の判断や修正

グリップ(持ち方)

手幅

力の集まる場所や無駄な力が入りやすい場所



等々習った。



一番最初は重心についてだと思う。

バーベルバックプレスで実験した。
同時に手幅も修正された。


それだけで、今まで必ず腰が痛くなったのが、ほとんど痛く無く、三角筋の刺激が圧倒的に増えた。

それまで、
手幅は上腕が水平時に肘が90゜、
重心も全く考えた事も無い。
フォームや意識が一番大切。


そうやってきた。しかし、それが間違いだと気付かされるのに数分しか掛からなかった!!

約3時間、本当に様々な「トレーニングの常識の間違い」を教えて下さった。


もう終わろうかという頃、
「どう?想像と違ってた?」と先生が聞いてこられた。

「はい。もっとマッサージされて、激痛を味わうのかと覚悟してました。」

「あっやって無いか。いいよ、やってあげよう。」

「あっ、いえ、べつに・・・。」痛いのが嫌で一瞬躊躇した。


「どれ、スクワットやってみて。」

先生に言われその場でスクワット。



「どっちが効かない?またはどっちの股関節が動かない?」

「左です。」

と言うと先生が、

「膝着いてしゃがんでみて。」

言われた通りに両膝を着いた姿勢になる。


いきなり右の三角筋をほぐし始めた。

「ウァ~ッ!」

激痛だった。

しかし内心「これが噂に聞くS先生のほぐしか!」と嬉しかった。


「スクワットやってみて。」

???何がスクワットと関係あるのか??訳が解らなかった。
しかし言われた通りにした。

スッスッスッ・・・・・。

先程まで詰まっていた左股関節が、グリスを注したかの様に滑らか、スムーズだった!!


「分かった?」

「おぉ~っ!スゲーッ!!」
声に出して驚いた。





今にして思う。

痛い所、引っ掛かる所、動き難い所、固い所・・・。
それらを直接触らず改善解消する驚き。

それを初めて体験させて下さったS先生。

僕のトレーナーとしての基本的スタンスは、この驚きと感動が根底にある気がする。

だから、手を操作したら脚が揃う、仰向けを揃えたらうつ伏せも揃う、しんそうに魅力を感じ勉強し始めたし、

腰椎1番を触るだけでジャンプ力が増す、動体学のミュートも開始した。



それから、毎月1~2回の頻度だが、10月の大会までは通った。
大会後も通い続けたが、金銭的理由で頻度は落ちた。
初回以降二回目からは、毎回毎回質問を山程持っていき、それに実技を交えて答えて頂くスタイルになった。
つまり、3時間位の実技付きセマンツーマンミナーだった。本当に贅沢だった。

乾いたスポンジが水を吸収するかの如く覚えていった。


今でも先生を目指して頑張っています。

本当に感謝しています。

ありがとうございますm(__)m。


僕の結婚披露宴では乾杯の音頭をとって下さいました。ありがとうございますm(__)m。パーソナルトレーナー大長武史。