「本当の自分が分からない」

という悩みは、

実はとても自然なものです。 

多くの人はこれを「最近の問題」だと

思っています。


仕事や人間関係、社会のスピードに疲れて、

自分らしさを見失ったのだ、と。


しかしこの悩みの起源は、

もっとずっと昔にあります。


私たちは物心がついた瞬間から、

「周囲に合わせる」という学習を

始めています。 

言葉を覚え、空気を読み、

「良い子」でいることで安心を得る。 

それは1〜3歳頃、

まだ「自分」という概念すら

曖昧な時期から始まっています。


この段階で人は 

「周囲に合わせなければ生きられない」 

というルールを、

思考ではなく身体に刻み込みます。


これは間違いでも弱さでもなく、

生存のための適応です。





素直な子は素直な子なりに、 

反抗的な子は反抗的な子なりに、 

どちらにしても

「他者とどう折り合いをつけるか」

を学びます。


そして成長の過程で、

自分の意見が通らない経験を重ねるたびに、
「本音より、周囲にとって都合のいい声」

を選ぶ技術が洗練されていきます。


それが10年、20年と積み重なると、 

本来は深層にあるはずの「本当の自分」は、 

親の期待、社会の価値観、

「こうあるべき」

という声に覆われてしまいます。


気づいたときには、 

「自分」と「周囲」の境界線が分からない。 

だから、本当の自分が分からなくなるのは、

むしろ当然なのです。


これは個人の問題ではなく、 

人間のOSが古いまま使われ続けているサイン

とも言えます。