日記ですが? -5ページ目

始まる戦い

豊「なんだ?あのねーちゃん…」


秀夫「ちっ…一番面倒なヤツが現れるとはな…久しぶりだな。葵。」


葵「久しぶりね。裏切り者!」


そういうやいなや葵は右手、左手に構えていたブローニングを秀夫に向かって放った。それを秀夫は木の陰に隠れてやり過ごす。



正「なんだあのねーちゃん!?半端なく強いぞ!?」


秀夫「当たり前さ。あいつは二丁拳銃の葵と呼ばれていた。俺の同期だ。今は国家特別軍隊の隊長をやっていると聞いたが…」



国家特別軍隊……天皇直々につかえている軍隊のことである。この軍隊は5人で編成されており、以前の隊長は秀夫だったが、秀夫が引退してからは、副隊長だった葵が史上初の女性での隊長になったいた。



真二「なんだよそれ…つまり、エリートの中のエリートなのか?あの人は?」


こう話しているうちにも、葵は左手にはブローニングを構えつつ、右手に特別軍隊専用の刀、「弐分虎鉄丸」を構えながら秀夫達に間合いを詰めてきて、秀夫に向かって虎鉄丸を振り下ろそうとしたとき、章吾のスナイパーライフル、ステアーSSGを葵に向けて撃つ。しかし、それを葵は振り下ろそうとした虎鉄丸の起動をすばやく変えて、その玉の起動を変えた。



章吾「なんだあいつは!?化け物か!?」


秀夫「ああ…あいつは化け物だ…」


葵「あなたにだけは言われたくないわ。秀夫。」


そういうと、葵は素早い動きで秀夫の目の前まで来ていた。そして、虎鉄丸を振り下ろす。



…しまった……秀夫は葵の予想以上の強さに軽い恐怖を感じていた。そして、いきなりの高速攻撃に手も足も出せないでいた。そして、今まさに葵の虎鉄丸が秀夫の頭に振り下ろされようとしている。秀夫は死を覚悟した。



キィィン!


激しい金属音の中、秀夫はまだ自分の顔が無事なことに気づく。そして、目の前には、ノートパソコンを盾に秀夫の前に立つ遭仙の姿があった。










秀夫「遭仙…」


遭仙「来…みんなを連れて逃げろ…ここは、俺と秀夫でここを足止めするから」



豊「何言ってんだよ…お前達も一緒に…」


遭仙「いいからいけぇぇ!」


正「…くそ!絶対死ぬなよな!」


秀夫「遭仙…いいのか?死ぬかもしれないんだぞ?」


すると、遭仙は微笑んで秀夫にこう返した。


遭仙「何言ってんだよ。俺達は仲間じゃないか。仲間と死ねるのなら本望だよ。でもな、葵さん…俺もただでやられるわけには…」



葵「なにをごちゃごちゃと…1人だろうが2人だろうが私にとっては同じ…」


といいながら葵が遭仙向かって襲い掛かる。しかし、そのとき、葵の頭上から何かが落ちてきた。それを葵はよける、それと同時に葵がいた場所から火がでてくる。それは遭仙があらかじめ作っていた火炎瓶だった。葵の回りから凄まじい火が上がる。そして、炎の向こうから遭仙の声が聞こえてきた。



遭仙「言っただろ。ただではやられないって。」




襲撃

今から7時間前…工場の管理室に2つの人影があった。そう、浅川祐介と相川明日香である。明日香が笑みをこぼしたときに、突然の大爆発が起こった。


このとき、爆発を起こさせた張本人、ジョニーアンドリューはこれだけの大爆発で生きているやつはいないだろうと予想し、灯台に向かった。


…しかし、2人は生きていたのだ。



2人が生きることができた要因は、2人が管理室にいたことだった。管理室の中は特殊合金でできており、あれほどの大爆発が起きても壊れなかったのだ。



祐介「おい!明日香!大丈夫か!」


明日香「なんとか大丈夫よ。それに、こんなところで死ぬわけにはいかないわ。でも、一体だれが襲ってきたのかしら……そうだ!祐介これを見て!」


祐介はなんだと思いつつ明日香がいじっていたパソコンの画面を見た。すると、そこには首輪の説明書があったのだ。



祐介「お前…どこでこんなものを…!」


明日香は「拾ったのよ」と口ではいいつつ、携帯には「プログラムの進行状況を運営しているところに侵入したら、偶然見つけたのよ」と打っていた。



そして、2人は作戦を開始した。今回は運良く首輪の説明書にも解体の仕方が書いてあり、2人はそれぞれの支給武器(祐介はコルトパイソン357マグナム、明日香はトカレフTT-33だった)で仲間割れの末、撃ちあいをして2人が相打ちで死亡。という演技を見事にやってのけ、政府にばれることなく首輪の解体ができた。




そしてそれから3時間後のこと…


遭仙はTウイルスを作っている途中のこと、近くに人の気配(このとき、遭仙は集中したいと言って新しく隠れ家にした民家の個室に閉じこもっていた)を感じた。そこで、窓を開けてみると、そこには首輪がついていない祐介と明日香の姿があった。最初、2人は逃げ出したが、見張りをしていた秀夫につかまり、来来、秀夫、遭仙の3人で2人がどのように首輪をはずしたかの話を聞いた。



そして、1時間前…


秀夫は正達を撃ったと見せかけて、首輪の解体をした。そして全員の首輪が外れた時に、正達は祐介達と再会したのだ。(遭仙が連絡をとりあっていたのは祐介達だった。)


正達は、なんでこんなまどろっこしいことをしたんだと怒った。理由は、何も話さないでこの演技にとりかかれば相手にばれる事はないだろう。との事だった。(実際には礼二に感づかれていたいたが)



そして、ここで遭仙曰く、今までの中でも最高のウイルス、Tウイルスが完成し、プログラム運営コンピューターにこれを侵入させた。その破壊力は凄まじく、一瞬にして政府最高のコンピューター、デスサイバーを破壊した。しかし、誤算がひとつあった。



…それは、礼二が最後の悪あがきに他の生徒の首輪を爆発させたことだった。これにより、生き残った生徒は正達だけになったのだ。



正「くそっ!8人だけ…」


この悔しそうな正の言葉をよそに、秀夫が淡々とした口調で口を挟む。


秀夫「8人だけじゃない。8人も。だ。この前は2人だけだったんだ。その4倍なんだぞ?」


夏「でも…やっぱり悔しいよ…みんな友達だったんだよ?なのに…こんな風に…」



ドォォォォン!


そのとき、凄まじい爆発音とともに近くの木々が倒れた。そして、そのときに舞い上がった葉っぱの中から、葵が現れた。


















真の戦い

兵士「男子9番、炭谷正の死亡が確認されました。」


礼二「うん、ご苦労。」


午後7時をまわったころ、プログラム担当官の福山礼二はコーヒーを飲みながら今までのことを振り返っていた。来来…あいつは一体何者なんだ?木村秀夫といえば、我が国始まって以来の天才兵士だった。彼はこの国に対してとてもよく働いてくれた人物だった。しかし、二年前にとつぜん姿を消した。そして、今度は我々の敵として戦っている。しかし、このこと以上に驚いたことがあった。それは、遭仙がそこにいたことだった。彼は、爆弾作りの鬼才、そして国際指名手配されているから彼をしらない者はいない。そして、彼は人と慣れ親しむことが大嫌いなことでも有名である。そんな彼がどうして…?あんなどこにでもいそうなヤツと一緒に行動しているんだ?


考えても謎が深まるばかりだった。そして、彼はもうひとつの疑問に取り掛かることにした。それは、炭谷正達は本当に死んだのか?と、いうことである。


実際、彼らの死には?な部分が多い。まずは、なんで炭谷正達は彼らに抵抗せずに死んだのか?、6人もいるんだから、例え相手が化け物じみた秀夫でも傷くらいは負わせれるはずだ。さらにもうひとつ、どうしても消えない疑問があった。



………撃たれてから死ぬまでの時間がながい…礼二はこの疑問はまったく消すことができなかった。ショットガンというものは、破壊力がでかく、腹などに着弾すれば、熊も即死というほどの破壊力だ。そして、秀夫が放ったショットガンの玉はきれいに6発。あそこで死んだ人数は6人。つまり、一人1発の計算だ。しかし…彼ら全員が死ぬまでの時間が長いのだ。


たとえば、炭谷正。彼は銃声から1分16秒後に死亡している。これは他の5人にも当てはまった。


首輪のたんなる故障か?いや、6人全員故障するはずがない。なぜなら今年から首輪は新しく改良されており、ここで全員の首に首輪をつけたとき、故障などがないかも念入りにチェックされている。故障などありえるはずがない。


と、なると最後にたどり着く結論はただひとつ…炭谷正達は生きている。この結論には、どうやって首輪を外したのか?という疑問がでてくるが、向こうには遭仙がいることを思い出す。確か彼は軍事共和国デルタルの破壊をするさい、世界最高の科学をもつというデルタル政府をハッキングしている。そんな彼ならこの国の最新の首輪であろうが、外すことなど朝飯前かもしれない…



こんなことを考えているうちに、礼二の嫌な予感は、予感から確信に変わりつつあった。そして、次の瞬間、予感が確信に変わった。



兵士「福山指令官!大変です!プログラムを運営しているメインコンピューターが何者かにハッキングされました!」


礼二「何だと!?」


礼二が叫ぶのと同時に、パソコン画面全体に「T」の字が浮かび上がっていた。間違いない…ハッキングして、Tの文字のウイルスをばらまくヤツといえば心当たりは一人だけだった。


礼二「遭仙…よくも…よくも…おい。再起動させろ。そうすればそのいまいましいウイルスも消える」




兵士「はっ!おい!再起動!」


そういうと全てのコンピューターを再起動させた。しかし…


兵士「福山司令官!ウイルスは以前侵食を続けています!」


礼二「なんだと!?そんな馬鹿な!?」


しかし、兵士の言うとおり、以前ウイルスは消えてなかった。この、プログラム運営用コンピューター。デスサイバーは特別なパソコンで、再起動をすれば、すべてのウイルス、その他もろもろを浄化できるパソコンだった。しかし、この遭仙ウイルスはその機能を上回っていた。


兵士「このままではプログラムの進行は不可能です!どうするのですか!?」


礼二「今生きている生徒の首輪を全部爆発させろ。」


このとき、礼二の理性はなくなっていた。彼の心にあるのは、自分を馬鹿にした来来達への復讐だけだった。


兵士「しかし!そんなことをされては上の方からの対処はどうなさるおつも…」


ダァン…


礼二「黙れ」


礼二はブローニングを兵士の額に当てると、引き金を引いて、兵士の頭をぶち抜いた。そして、今生きて首輪をつけている生徒の首輪を爆発させることのできる機械、赤外線リモコンの対象を全てに設定し、スイッチをおした。



ドォン…


あちこちから首輪爆発の音が聞こえてきた…そして、礼二はかろうじでウイルス感染されてない無線機を手に取り、しゃべりだした。


礼二「葵、ジョニー、犬神…お前達に新たな命令を下す。来来達を全員殺せ…いいな」


そして、次に島中に響き渡る拡声器を手に取り、こう叫んだ。



礼二「来来達よ…やるじゃないか。まさかハッキングをされるとは思ってもなかったよ…しかし、たった今、他の生徒全員の首輪を全て爆発させた。これで生きているのはお前達だけだ。そして、今からが我々との本当の戦いだ。政府にたてついたことをあの世で後悔するがいい!」




そして、政府との最後の戦いの火蓋が切って落とされた。











政府軍


司令官 福山礼二


特別軍隊長  葵


転校生1番  ジョニーアンドリュー


転校生4番  犬神家


プログラム担当兵士 46人




















































正「くそっ!あいつら本当に人間なのか!?」


祐介「正!落ち着け!」


実は生き残っていたのは正達だけではなかった。祐介、明日香も生きていたのだ。







来来チーム


転校生3番 来来


最強の兵士 木村秀夫


鬼才 遭仙(本名タツヤ)


男子1番 浅川祐介


女子1番 相川明日香


男子9番 炭谷正


男子13番 田沼健二


女子13番 日向夏


男子17番 長峰豊


男子18番 沼田真二


転校生2番  七原章吾


残り11名