しかし、僕らは入学と同時に離れ離れに……。
学校が違うからだ。
Mが入ったのは近くのH中
でも僕が入ったのは一つ隣のS中だ。

S中は別に受験をするような学校ではない。
なのに、僕がここを選んだのには理由がある。

僕は、小学5年生からトランペットをやっている。
自慢のMYトランペットを構えて吹くのが大好きだ。
そこで、聞くところによれば
S中の吹部はそれなりの実力がある」
という。
それにH中へ行くのと距離はあまり変わらない故S中にした。

…………入学式を無事終え、
やってきたのは……「自己紹介」……。

僕の頭文字はA……慣れているはずのトップバッター。
……しかし地域が違う為、知らない人ばかり。
そのせいか緊張が……
と思っている間に僕は声を低めにさらりと終わらせた。

……皆は何やら話している。
なんだろう……と不安は過ぎらない。
だって僕は地獄耳。
……これ、案外使えますよ?


………つづく。。。

―――あれは2年前―――

今日は入学式。
今日から僕は中学生。

桜が満開で………といきたい所だが
土砂降り………。
雨は嫌いだ。
ついでに学校もね。
……つまり今日は僕の「凶の日」。

僕はこの年にして彼女がいる。
それはM
さかのぼること一年……
もて期なのか?五人にも告られていた。
…………全員振った…………
何故かって?
女は苦手だ。面倒だし、興味がない。
……唯それだけ。
Mも本当はどうでもよかった。
……といっては嘘にならない気がしないでもないが……
後々面倒になるのはもううんざりだし、とりあえず承諾した。
でも、そのうち面倒見がいい上に……かわいい……と思うようになってしまった。
そしてついに……ふと気づかされた
―――好き―――


………つづく。。。