会社に事情を説明して、妻の病院へ向かった
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通い慣れた道なのに、なぜか足取りが重たい
娘からの電話で
「早く病院へ行かなアカンわ」って思うのに
どうにも、心と身体が
かみ合わない様な気がしたと思う
複雑な気持ちのまま
慌てずに病院へ着いた
妻の病室へ入ってみると、もうすでに
妻の兄弟が妻のベッドの周りを囲んでいた
みんなが「daiちゃん……」って言った
僕は寝ている妻に
「ママぁ!来たよぉ!」
って言ったら
昏睡状態の妻が、唯一動かせる
右手を上げて、僕を迎えてくれた
僕はうれしかったんやと思うねんけど
自分の気持ちまでは、全く覚えていない
これから昏睡状態が2日間続いた
私たち家族、兄弟は病院の会議室をかりて
その日が来るのを
みんなで交替しながら妻の看病をしていった
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