親子で本の貸し借り 〜三浦綾子「泥流地帯」〜 | クーニーのブログ

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大好きなフィギュアスケートや絵本のこと、カフェや京都のこと、持病の膠原病のことなど気ままに綴ります

むか〜し昔に読んだ本を、年末に本棚から出してきて現在読んでいる。
(高田郁さんの本はやっと読了。少しずつ読むので、1冊持っているのがとっても長い照れ

三浦綾子さんの「泥流地帯」。

 ■泥流地帯、続泥流地帯
 ■三浦綾子 著
 ■新潮文庫

(私のは平成6年32刷で560円だけれど、現在は810円ガーン それでも絶版じゃなくてよかった)

三浦綾子さんを初めて読んだのは、中学の時。
自らを犠牲にして多くの乗客を救った若い鉄道員の生涯が描かれた「塩狩峠」。

塩狩峠を読んでいたら母親が、「昔、三浦綾子さんの『氷点』を夢中になって読んでいた」と。
新聞の連載の時に読んでいたのかな。
で、私もその後、夢中になって「氷点」を読むことになった。
それからはいろんな三浦作品を。
学生の頃にもよく読んでいたけれど、結婚後、体調の悪かった時にもよく読んでいた。

本棚を見たら、いっぱい並んでいる。

久しぶりに手に取ったのは、母親との昔のやり取りを思い出したから。
結婚後、よく母親と本の貸し借りをしていた。
私が読んで面白ければ、「読む〜?」と言って実家に持っていく。
特に感想を言い合うわけでもなく、「面白かった」とか「続編も貸してや」とか、「斬新すぎてよくわからなかったし、もういいわ」とか、その程度。
そんな感じだったのに一度だけ珍しく、本のことを母親が話した時があって。

「何か悪いことが起こったら『昔、何か悪いことをした報いを受けてるのかな』と、小さい頃から思って恐れがあったけれど、そんなふうに思わなくてもいいんやなぁと、心がスッと軽くなった、読んでよかったわ」

そんな風なことを母親が言った記憶がある。
その時、ちょっと不思議やったの。
「その本を読んでその感想?」とチグハグな気もしたし、それから母親はどう考えても善人やったから、「悪い事の報い」という考えがどうして出てくるのかなと。
母親と結びつかなくて不思議な気持ちがした。

そんなことを最近思い出して、でもなんの本だったかはっきりとは覚えていなくて ガーン
多分、三浦綾子さんの本だったと思うとしか。

気にはなりながらほっていたら、昨年11月のブラタモリが富良野で、その番組の中で、大正15年の十勝岳の噴火も取り上げられて、三浦綾子さんの「泥流地帯」も少しだけ紹介されたと。
私はその回は見逃してしまったんだけれど、あとでネットで知って、「そうやわ、きっとこの本やわ!」と気がついた。

それで読みたくなって今、読んでいる。
母親はどんなふうな目で読んでいたのかなぁと、気になりながら。


母親に貸した本で、「面白かった」という言葉とともにちゃんと最後まで読んで返ってきた本は、山本一力さんの「あかね空」が最後だった。
京から江戸へ出て、お豆腐屋さんをかまえた家族の話し。
直木賞をとった作品。

いつの本かと奥付を見てみると、私の文庫本は「2005年8月 第8刷」となっている。
楽しいはずのお出かけのドタキャンが出てきたりしたのは、その少し後くらいの時期。
その頃から、いろんなことへの意欲(好きなことに対しも)がなくなっていった。
「本を読む」ということにも、認知症の予兆が出ていたんだなぁと、今になって気づく。
その頃から、「面白かったよ」と言って持っていっても、読んでるんだかどうだかわからなかったり、反応が薄かった。
文庫本の小さな字を読むのが辛いのかなぁ、本読んで頭を使わないと、呆けるで〜とも思っていた気がする←もう始まってたのにね。

その1年後くらいには、たいそうで病院大好きな父親のおかげ(?)で、認知症外来を受診することになった。
多分、ものすごい早い段階での受診かと。
それから10年以上たったけれど、まだ自分で食べて飲んで、出して、歩いて、介助や見守りを受けながらも出来ているんだから、進行はゆっくりなんだろう。


今年のお正月も2日の夜に、両親とうちの家族3人、兄家族集まって、みんなでお祝いできた。

御所西 京都平安ホテルの庭園(江戸時代に作られた池泉回遊式庭園)
  ↓

食事の途中、母親が歌を歌いだしたので(周りはザワザワしていたし、少し離れた一角だったので迷惑ではなかったと思うけれど)、レストランの外に連れ出て、娘、兄、私が交代でお庭の見えるフロアを、車椅子を押しながら行ったり来たりした。
押しながら、わかる歌はいっしょに歌ったりもしたけれど、歌詞がなんせ最後までよくわからないものが多くてショボーン
私がいっしょに歌ったのは、1曲め、なぜか賛美歌「い〜つくしみふか〜き🎵」
2曲め「つきの〜さばくを〜は〜るばると〜🎵」

月の砂漠は、うろ覚え。
認知症85歳に記憶力、負けてる 爆笑

来年のお正月は、どうかなぁ、まだお出かけしてみんなでご飯食べられているかなぁ。
そうだといいなぁ。